本当に喜ぶお礼の品とは?お金よりも効果的なプレゼント!

お礼

入居者や不動産屋、業者さんに対してお礼を渡すとしたら何が良いのか。
不動産投資をしていると、売買の際や客付けでお世話になった不動産屋(仲介業者)や入居者にお礼をしたいときに、何をしたら効果的なのか悩んだ経験がある方は多いのではないでしょうか?

悩む

金一封?プレゼント?お礼の言葉?
何が一番効果的だと思いますか?
お金!と思いがちですが、実はそうとも言い切れないのです。
ある本を読んで1つの答えを見つけたのでご紹介したいと思います。

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予想どおりに不合理

ご紹介したいのはダン・アリエリー著の『予想どおりに不合理』です。

ダン・アリエリー(Dan Ariely)とは

ダン・アリエリーは行動経済学の第一人者で、人間がどのように決断をするのか、特になぜ不合理な決断を行うのか、研究を行っています。
そのユニークな研究で、2008年度にイグ・ノーベル賞も受賞しています。
今回紹介する『予想どおりに不合理』は、米国各メディアのベストセラーリストを席巻し、アマゾンの「カテゴリ 経済思想・経済学説」では、ベストセラー1位(2021年1月時点)を獲得しています。

人間の不合理な行動について

『予想どおりに不合理』の内容の一部を紹介します。
少し長いですが、大事な話なのでじっくり読んでみてください。
かなり衝撃的な話が書いてあります。

  • わたしたちは、ふたつの異なる世界-社会規範市場規範の世界-に生きている。
  • 社会規範は、友だち同士の頼み事など、ほのぼのとして、何かした人もされた人もどちらもいい気分になり、お返しの必要のない世界市場規範は、賃金、価格などやり取りはシビアで、支払った分が手に入る世界
  • 報酬を渡した場合(価格を提示した場合)には、市場規範を適用し、報酬額に見合った行動(報酬が見合わないと感じると働きが少なくなる)をとる
  • 社会的な頼み事(ボランティア等)としてお願いした場合には、社会規範を適用し、報酬がゼロであってもやる気を出して行動をとる
  • 低価格でお願いすると市場規範を適用して多くの人が仕事を断るが、無報酬でお願いすると社会的規範に沿って行動をとる
  • プレゼントを渡した場合には、社会規範を適用し、その商品の金額によらず行動をとるが、プレゼントの値段を口にしたとたん、市場規範を適用させ、その報酬に見合った働きしかしなくなる
  • 社会規範と市場規範が衝突した場合、社会規範が負けてしまい、長い間戻ってこなくなる

不動産投資に『予想どおりに不合理』を応用する

それでは不動産投資に『予想どおりに不合理』を応用するとどうなるのか、当てはめてみましょう!

ケース1 職人さんにやる気を出してもらう

不動産投資で必須になる物件の工事では、工事業者に対して相応の報酬を渡すという契約をしています。
各職人さんに報酬以上のやる気を出してもらうために、飲み物代を渡したり、物を差し入れするといったやり方があります。
市場規範と社会規範を考えると、

市場規範1,000円~3,000円程度(1人工の1割程度)
社会規範 飲み物(100円)

市場規範でいくらが適正かも1つの論点ではありますが、相場や経験から考えると通常報酬の1割程度と考えます(不動産投資の本でも、飲み物代やタバコ代として高くても数千円程度です)。

どちらのパターンも自分自身で試しましたが、お金を渡した場合には相手とビジネスライクな関係となり、飲み物を渡した場合には友好的な関係になったように感じます。

どちらでもやる気を出して仕事をやってくれましたと思いますが、物を渡した場合の方が明らかに効果的だと思います。
その理由としては、休憩のタイミングで飲み物を渡せばそれをきっかけに友好関係を築くこともでき、まさにボランティア精神でお願いしていない箇所までついでだからとやってくれたりもします
また、費用対効果を考えても、明らかに物を差し入れた方が良かったと感じます。

ケース2 入居者募集(客付け)でやる気を出してもらう

物件の入居者を見つけるため、多数の不動産会社へ募集をお願いしますが、担当者に更に謝礼を渡す、広告費を高くするというやり方をしている方もいるかと思います。
市場規範と社会規範を考えると、

市場規範謝礼:2万円前後(月収の1割程度)、広告費上乗せ(数万円)
社会規範お菓子(1,500円)

不動産会社の担当者に対して広告費以外の謝礼(お金)を渡したことはありませんが、広告費を高く積むという市場規範を適用したよりも、店長や担当者に覚えてもらい、関係を築いた会社の方が費用対効果が高いのは間違いありません。

プレゼントを渡した場合には、社会規範を適用し、その商品の金額によらず行動をとるが、プレゼントの値段を口にしたとたん、市場規範を適用させ、その報酬に見合った働きしかしなくなる

ケース3 入居者への対応

不動産投資で自主管理をしていると、ゴミをきちんと捨てなかったり、周りに迷惑をかけるような方が出てきます。
そんな迷惑行為の対応を考えると、

市場規範規約を定め、違反したら罰金
社会規範感情に訴える

こういった迷惑行為の実例が『予想どおりに不合理』に紹介されているのですが、市場規範を適用した場合には、「罰金を科されているのだから、それを決めるのは自分とばかりに違反をするようになる」そうです。

ゴミの捨て方が悪い際に「実費+罰金を請求」するのは効果的に思えますが、「片づけするのが大変」「あなただけが守れていない」など感情に訴えかけ、いかに社会規範を適用させるかを考えた方が効果的とのことです。

まとめ

本記事では、不動産投資で遭遇する様々な場面を例に、効果的なお礼の品をご紹介しました。

【要点】

  • 人は、市場規範と社会規範という異なる世界に生きており、「頼まれごとなら頑張るが、安い報酬ではやる気が失せる」という特徴があります。
  • 下手に報酬を渡す、もしくは金額を伝えると、市場規範を適用し、その報酬に見合った働きしかしなくなります。
  • 色んな場面で、どうしたら相手に社会規範が適用されるのかを考えると、同じ金額でもより効果的な結果を得ることができる。

この市場規範と社会規範の話は不動産投資に限らず、日常の場面でも役立つ知識ですので、ぜひ参考にしてみてください。

また、今回紹介した内容以外に、『予想どおりに不合理』では、「無料(ゼロコスト)の効果」や「価格の相対性(アンカー)」についてなど、交渉場面やセールスに役立つ情報が載っていて不動産投資をやるうえでも大変役立つので、ぜひ一読をおススメします。