この記事では、
・年収の低いサラリーマンが不動産投資を始めるなら最初は何が良いか
・リスクは抱えたくないが、不動産投資をやってみたい
という方に、1棟目にどんな物件を買ったら良いのか紹介します。
僕のやっている不動産投資は、『低属性』×『融資限界活用』×『高利回り』を目指して、現在は
・築古戸建て
・築古アパート(全空ボロボロ)
・新築アパート(土地を購入し、建設)
・転貸
といった投資をやっていますが、最初に買ったのは戸建てで、アパートを買った(買えた)のは不動産投資を開始してから数年後です。
それなら最初は戸建てが良いの?
いえ、必ずしもそんなことはないです!
僕自身は築古戸建てからスタートしましたが、エリアによっては土地が高すぎて戸建ては困難だったり、少しでも現金支出を抑えたい方には別の選択肢の方が適している方もいます。
それぞれのやり方で成功している人がいるので、最後は自分が一番やりたいと思った方法でまずはやってみると良いと思います。
えー・・。それなら結局何か始めたらいいの?
そこで本記事では、不動産投資で一棟目に何を買ったら良いのか、深堀していこうと思います。
ちなみに、僕の不動産投資の実績は、次の記事に記載しています。
最初に買うべき物件は何か?
不動産投資の1棟目に何かを買うべきかについては、次のように考えると良いと思います。
他の投資法はダメなの?
今回選択肢として挙げた不動産投資の種類として、戸建て、区分マンション、賃貸併用住宅をあげましたが、その他にも投資方法は色々とあります。
もちろんそれ以外の手法(アパート・マンション一棟、転貸等)でも成功している方も多いですが、いきなり高いハードルを設定すると『途中で心が折れる』もしくは『融資不可でいつになっても始められない』といった事態になる可能性が高いです。
まずは小さくスタートして、成功体験を積んでから徐々に大きいものへシフトしていくことをおすすめします。
では、なぜ上記のように考えると良いのか、詳細を続けて解説します。
僕は小さいものをやりすぎたせいで、拡大に時間がかかりました・・
不動産投資の一棟目を決めるために考えておくべき事項
不動産投資で最初にどういった物件を買うのか考える際には、まず次の項目を考えてみましょう。
検討① 現金はいくらまで出せるのか
まず最初に考えるべきは、『現金はいくらまで出せるのか』です。
「低属性」×「一棟目で戸建て」の融資は困難
「不動産投資といえば融資を使う」といったイメージもありますが、耐用年数を超えた築古戸建てに関する融資は、そう簡単ではありません。
特に、実績の全くない初心者の状態で、耐用年数超えの戸建て融資は特に困難だと認識してください。
戸建ての融資って受けられないの?
融資は受けられますよ。僕も1棟目以外は全部融資です
なぜ一棟目で戸建ての融資が難しいかというと、
- 耐用年数超えると、収益をゼロとみなす金融機関が多い
- なぜ耐用年数を超えて使用できるのか、説明が困難
といった問題があります。
融資を受けるためには、金融機関内の稟議(審査)を通さないといけませんが、多くの金融機関は大前提として
耐用年数を超えた物件は使用できない
と考えています。
耐用年数超えで融資を受けるということは、その大前提を壊さなければなりませんが、どうして全く事業をやっていない初心者にそれができるのか、説明は非常に困難です。
絶対に初心者じゃ無理なの?
絶対に返済できるという条件(担保価値が高い、資産家など)を提示できれば大丈夫ですが
「低属性」×「住宅ローン」or「耐用年数内」はOK
初心者でも融資を受けやすいのは、
- 住宅ローンを使った融資
- 耐用年数以内の収益評価が出る物件
のいずれかです。
住宅ローンで買った家を貸し出してもいいの?
理由次第です!
基本的に、住宅ローンで購入したい家を賃貸用にするのはNGですが、どうしようもない事情がある場合や、最初から賃貸併用住宅の場合は別です。
また、耐用年数の残った戸建ては高額になりがちですが、マンションであれば耐用年数が長いので耐用年数の残った状態で格安の物件を探すこともできます。
そのため、現金で物件を買うほど余裕がないのであれば、予めお金を貯めるか、耐用年数内の区分マンションもしくは住宅ローンを利用した賃貸併用住宅という選択肢が良いと思います。
検討② どの程度時間をかけられるのか
次に考えるべきことは、「どの程度の時間を不動産投資にかけられるのか」です。
築古戸建てはリフォームに手間がかかる
築古戸建ては、建物の外構から室内まで全ての手入れが必要になるので、リフォームが必要な物件だと業者の手配やリフォームなどどうしても時間がかかります(全てDIYで直されているスゴイ方もいます!)。
しかし、区分マンションであれば室内の専有部分のみなので、リフォーム範囲は限られ、しかも比較的きれいな状態で安い物件も多いです。
どういったエリアで投資をするのかにもよりますが、古い戸建てはどうしても購入直後に手間がかかるので、時間をかけられないといった方は区分マンションでスタートするもの良いと思います。
僕は休みの日をフルに使って不動産活動してます
私はたろーの出勤日が休みで、土日は不動産投資なので辛いです
検討③ 長期的にどうなりたいのか
先ほどのフローチャートにはありませんが、長期的に考えてどのように進めたいのかも合わせて考えると良いです。
不動産投資の方針は途中でもっと良い方向へ変えても全然問題ありませんが、もし大規模な再生投資をやりたいのであれば、最初は少し無理をしてでも戸建てで色々と経験を積んだ方が、長期的には良いこともあります。
自分の目指す方向と一致するもので、かつ現在の状況から適切な投資方法が選べればベストです!
僕は全空アパートの再生投資をやりたかったので、築古戸建てからスタートしました!
それぞれの投資方法の比較
それぞれの投資法について、違いがわかるように概要をご紹介します。
戸建て投資の特徴
戸建て投資の特徴① 自由度が高い
戸建て投資は、外構も含めて自由にリフォームでき、入居条件も自分で決められるので自由度が高いという特徴があります。
建物全体を自由にいじれることから、建物全体をリフォームすれば構造やリフォームなどの知識や経験が身につきます。
しかし、築古戸建てだとリフォームが必要な場合が多く、建物全体のリフォームになるので、とにかく手間や時間がかかってしまいます。
入居者が入るまで草むしりもやらなきゃですよ
戸建て投資の特徴② 融資が困難
木造の戸建ての耐用年数は22年と短く、安く買おうとすると耐用年数を大幅に超えた物件となるため、融資が難しいという特徴があります。
もちろん戸建てでも融資は受けられますが、初心者で実績がないときに金融機関へ持ち込むと、多くの場合は厳しい回答をもらいます。
2022年に購入した戸建て(耐用年数超え)も融資を利用しているので、融資が出ないわけではありません!
区分マンション投資の特徴
区分マンション投資の特徴① 範囲が限定的
区分マンションは、建物の専有部分(購入した室内)しかいじることはできず、リフォームやペットの飼育などもマンションによっては制限されている場合もあります。
自由にできない部分がある一方で、共有部分は所有者全員で管理をしているため、リフォームは室内のみでよく、共用部の手入れや掃除も自分でやる必要がないので、しっかりと管理されているマンションを選べば、手間がかからないといった特徴もあります。
区分マンション投資の特徴② 融資を受けやすい
マンションの多くはRC造(鉄筋コンクリート造)という構造で、耐用年数は47年と長いです。
そのため、築30年程度のもので耐用年数が15年以上残っており、戸建てに比べて金融機関から融資を受けやすいといった特徴があります。
区分マンション投資の特徴③ 積算割れを起こしやすい
区分マンションは耐用年数の物件を安価で購入しやすく、収益評価では問題になりにくいのですが、土地を部分的にしか所有できないため、積算評価が出にくい(債務超過になりやすい)といったデメリットがあります。
しかし、一時的に債務超過になったとしても少額の区分マンションであれば長期的に問題になることは少なく、
- 最初だけ区分マンションにする
- 家賃収入で徐々に資産増加し解消させる
- 売却して資産を組み換える
など、いずれ解消させることはできます。
区分マンションばかり買ってとんでもない規模に成功している投資家もいるので、長期的なやり方次第ですね
賃貸併用住宅投資の特徴
賃貸併用住宅投資の特徴① 住宅ローンなので融資が容易
賃貸併用住宅は、事業用のローンではなく、住宅ローンを使って購入できるため、融資を受けやすいといった特徴があります。
住宅ローンなら簡単なの?
住宅ローンは、パッケージ型のローンなので、収入などの条件が問題なければ簡単に融資を受けられますよ
ただし、全ての住宅ローンで賃貸併用住宅がOKなわけではなく、各金融機関によって条件が決まっていたり、住宅ローンで賃貸併用住宅が可能な金融機関を探す必要があります。
賃貸併用住宅投資の特徴② キャッシュフローは出にくい
賃貸併用住宅だと半分以上が自宅になることが多いので、購入金額に対して家賃収入が少なく、キャッシュフローがあまり出ないといった特徴があります。
しかし、自分の住んでいた家の家賃がなくなり、金融機関への返済も入居者の家賃から払えるため、その分だけ出費が減ってお金が貯まりやすくなり、しかも事業実績を積むことができます。
賃貸併用住宅でスタートしている投資家もいます!ただし、賃貸併用住宅だけを買い進めるのは困難なので、最初の1棟だけって考えた方がよさそうです
不動産投資家の最初の1棟目は?
どの投資方法を選んでも本当に大丈夫なの?
長期的に考えれば、小規模ならどれから初めても大丈夫ですよ。有名な投資家さんで何人か事例を紹介します
一棟目に戸建て投資を選んだ投資家
小嶌大介さん
小嶌大介さんは、2010年に脱サラを目指し、手持ち50万円から不動産投資に挑戦された投資家です。
当初は戸建て(廃屋)から不動産投資をスタートさせ、2022年時点で所有物件28棟200室、年間満室収入8,500万円という規模まで拡大されています(「元手50万円を月収50万円に変える不動産投資法」より)。
一棟目に区分マンション投資を選んだ投資家
石渡浩さん
石渡浩さんは、大学院在学中の2005年に区分マンション投資から不動産投資を開始された投資家です。
2012年時点でアパート・マンション20棟194戸、区分マンション20戸、戸建て11戸所有し、年間家賃収入は約2億円の規模まで拡大されていました(「たった4年! 学生大家から純資産6億円を築いた私の投資法 借りて増やす技術」より)。
なお、2016年に投資不動産保有会社を約5億円で売却されています。
紺野健太郎さん
紺野健太郎さんは、年収100万円、自己資金50万円のときに不動産投資に気づき、2010年に区分マンションから不動産投資を開始されました。
2015年時点で8棟59室、年間家賃収入は2400万円の規模となり(「不動産投資で人生を変える! 最速でお金持ちになる絶対法則—資産ゼロでも毎月100万円を稼ぐ仕組み」より)、2022年時点ではキャッシュフローが700万円/月まで拡大されています(紺野健太郎さんのTwitterより)。
ポールさん
ポールさんは、2013年に区分マンション投資から不動産投資を開始しました。
2021年時点で所有物件は戸建て31戸、ビル1棟、アパート7棟、建設中アパート2棟で、年間家賃収入は6,000万円弱です(「<最新版>100万円以下の資金で夢ツカモウ! 「家賃収入」で若くしてセミリタイア&「豊かなジンセイ」を勝ち取る方法!」より)。
一棟目に賃貸併用住宅投資を選んだ投資家
ふんどし王子(山屋悟)さん
ふんどし王子(山屋悟)さんは、2009年に賃貸併用住宅から不動産投資を開始されました。
2021年時点で、アパート6棟32室、戸建て5戸所有し、年間家賃収入は約2,700万円です(「<最新版>100万円以下の資金で夢ツカモウ! 「家賃収入」で若くしてセミリタイア&「豊かなジンセイ」を勝ち取る方法!」より)。
まとめ
本記事では、不動産投資の1棟目に何を買うべきか、考え方の一例をご紹介しました。
それぞれの投資方法の特徴から考えると、
- 自己資金があって、時間もある方 ⇒ 戸建て
- 自己資金はあるが、時間を使いたくない方 ⇒ 区分マンション
- それ以外 ⇒ 区分マンション、賃貸併用住宅
といった選択肢も良いのかなと思います。
しかし、今までの話を無駄にするようですが、一棟目は後戻りができないような事態にならない範囲で自分ができると思った方法を選べばよいと思います。
大成功されている著名な不動産投資家の方が一棟目に何を買ったのか事例を紹介しましたが、不動産投資で大きく拡大している方で一棟目と同じ投資方法だけを続けている方は少ないです。
もし最初に始めた投資方法よりももっと良い方法が見つかれば途中で軌道修正すればいいだけです。
散々悩んで詳細に検討してから始めたとしても、自分には全く合わない可能性もありますし、最後は自分の直感を信じてやってみれば良いと思います。
そのため、不動産投資の一棟目は何から始めれば良いかというと、
自分ができると思った方法をやってみたら良い!
最後は投げやり!!
反省しても後悔はするなです。人生の残り時間は限られています。とにかく動き始めましょう