前回はクロス選びについて書いてきましたので、今回はこの物件の目玉、井戸のお話を書いていきます。
水から硫黄のような臭い
水道トラブルと保険のお話【3棟目4】で井戸水関係で一波乱あると書きましたが、その一波乱です。
物件リフォームの最中に
流し台のあたりからなんだか硫黄の臭いがする気がする!排水溝で何か腐ってるのかな?
と思っていたのですが、あまり気にせずにリフォームを進めていきました。
ですが、キッチンで白い桶に水を汲んだところ、ほんのり色がついているような気がするのです。
心なしか水から硫黄の臭いが漂っているような気もします。
水が臭い気がするんだけど・・・・
きっと水道管が錆びてるだけ!よくあるよね!しばらく水を出しっぱなしにしたら色もなくなるよ!
と、自信ありげに言うのでしばらく水を出しっぱなしにしてみましたが、匂いも色も変わらず・・・・
この物件を買うときに井戸水の水質についても質問していたのですが、
前の入居者さんは普通に井戸水使っていましたよ~
それなら大丈夫だね。
と、何も疑問を持たずに、深く追求しなかったのです。
初めての井戸水を使用した物件だったので、井戸水の水質の問題など全く気にしていませんでした。
水質検査の結果がこんなにも重要になるとは・・・・。
こんな硫黄の臭いがする水を料理に使うわけにはいきませんので、どうしたら井戸の水質を改善できるのかを必死で考え(ググり)ました。
原因究明には水質検査
すると、まずは原因究明のために水質検査が必要だということがわかり、検査をお願いできるところを探して、ネットで出てきたところに片っ端から電話をかけ、〇〇微生物研究所というところにお願いしました。
検査費用は18,000円くらいでした。
業者さんがキットのようなものにしばらく流した後の水を入れて持ち帰り、後日、結果が出たら検査結果報告書を郵送してもらい、電話でも詳しく説明してもらえました。
あーこれはダメっすね。完全に飲用は無理っす。
結果は飲用不可!!
大腸菌やトリクロロエチレンなどの危険なものは基準値内だったものの、pH値が8.8と高く、色度も基準値を大きく超えていました!!
通常の水道水のpHは5.8〜8.6なので、この物件の井戸水は僅かに基準値を超えてアルカリよりの水になっていました。
色度については水道水は無色透明ですが、この井戸水は目視で色がわかるくらいに白く濁っていたので一目瞭然。
臭気や味は異常なしと出ていたのですが、明らかに硫黄臭いので原因を聞いたところ
この色やpH、臭いは腐葉土のせいっすね。基準値をクリアするには井戸をもっと深く掘らなきゃダメだね。
とのことでした
どうしたものか・・・
飲用不可の井戸水の対策を考える
このままでは賃貸に出せないので、できるかぎり安価で済む対策はないかと考えてみました
- 浄水器を付ける、蛇口に取り付けるタイプ・井戸ポンプに取り付けるタイプ
- 井戸を深く掘る
- 上水道を接続する
①の浄水器の案は最後まで検討していたのですが、蛇口にとりるけるタイプや備長炭を使った浄水器ではpHはどうにもならないそうです。
ポンプに取り付けるタイプは、かなり高額で30万~百数十万もするので論外でした。
②の井戸を深く掘る案は、たとえ井戸を深く掘って水質検査をクリアしても今後また水質が変わってしまう可能性があり、掘削費用も高額で掘ってみないと金額がわからないという、スリリングな方法なので論外です。
③上水道の接続工事と加入で約60万円
結局どの案も高額でした。
上水を接続する
所有物件の中で一番築年数の若いこの物件には長く活躍してほしいですし、後々のコストを考えると③の上水道接続を選択する以外ありませんでした。
井戸に浄水器を付けたり、深く掘って飲用可能になっても、やはり高額な初期費用や定期的なメンテナンスが必要になり、何十万と掛かるなら公営の上水に接続してしまった方がメンテナンスいらずで水質の心配をせずに済むますからね。
水道工事は指定の業者から選ばなければいけないので、しらみつぶしに指定業者へ電話をしていきます。
年末も近づいていて水道工事業者さんはどこも忙しく、なかなか決まりませんでしたが、1社安く請け負ってくれて加入金込みで約50万で工事を請け負ってくれました。
(私道の一番奥でガードマンが不要だった為、その分浮いたのも大きいです)
安くて助かったのですが、工事が賃貸契約後になってしまったり、業者さんの高圧的な態度や工事の仕上がりの悪さにタローが何度もキレそうになったりと心労が半端じゃなかったです。
書いても気分が悪くなるだけなので省略しますが、最終的には全て無事に済んで本当によかったです。
ちなみに、賃貸契約後すぐに水道工事だったため、まだ引っ越してはいなかったそうです。
ですが、迷惑をかけてしまったので入居者さんには水を数箱プレゼントしておきました。
おわりに
今回の事件で、井戸水の物件を買うときは事前の水質検査は必須だと実感しました。
よく不動産投資の本で井戸は避けろと書かれている理由を身をもって知りました。
これがアパートだったらもっと高額になって悲惨な状態だったんでしょうね・・・。
井戸水が使えなくなるリスクやメンテナンス費込みでも利益がでるほどお得な物件なら購入してもいいのかもしれませんが、入居後に水道工事をするとなるとかなり面倒なのでなるべく避けたいです。
もう一つ実感したことは、お付き合いする業者さん選びはお金だけで選んではいけないということです。
お金も大切ですが、何よりも人間性が大事です。
やはり親切にしてもらえたり、親身になって考えてくれたりする方にはまたお願いしたいと思いますし、今回のような業者さんには二度とお願いしたくありませんからね。
私たちも『この人の為なら協力しよう』と思えるような人間になれるように心がけていきたいと思います。
次回は入居の決め手について書いています!