元銀行支店長に聞いた!融資を引き出すコツ

支店長

不動産投資が他の投資法より優れている理由の1つは、銀行からお金を借りられることです。
物件の利回りが10%だったとしても、融資を使えば、実際に自分が投資した金額に対する利回りは何倍にも大きくできます。
それなら「融資をバンバン使えばすぐにお金持ちになれる!」と思われますが、銀行はそう簡単には不動産投資のお金を貸してくれません。
住宅ローンを借りるときには簡単にお金を貸してくれても、事業用の融資となった途端に同じ物件でも融資が通らなくなります。
では、どうやったら銀行はお金を貸してくれるのでしょうか。

本記事では、融資を引き出すためのコツとして、一般に言われている方法と、銀行支店長へ聞いた本音をご紹介します。

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銀行融資の鉄板(投資家の手法)

不動産投資の本を見ると、銀行融資を受けるために様々な話が記載されています。
主に言われている大事な指標としては、以下の3つです。

  1. 資産超過であること(自分の資産状況、貸借対照表の評価)
  2. 儲かる物件であること(収益性の評価)
  3. 経営できるのかどうか(人物評価)

①資産超過であること(自分の資産状況、貸借対照表の評価)

銀行は基本的に債務超過(借金過多)の場合には、融資をしてくれません。
なぜかというと、不動産投資や事業を失敗してお金を返せなくなった場合に、銀行は担保にとった物件を売却して借金を返済させますが、資産(現金や物件の価値)に比べて債務(借金)が多い状態だと資産全てを売却しても融資額を回収できないからです。
いざというときにお金を返してくれる人でないと、銀行は融資をしたくないのです。

資産超過に関する具体的な評価方法としては、所有物件や購入物件をそれぞれ積算評価で評価し、現在の借入額と比較を行います。
もちろん決算書の貸借対照表(バランスシート)の評価も確認されます。

【資産超過の判断基準】
  資産(金融資産+物件の積算評価額)> 借金

②儲かる物件であること(収益性の評価)

儲かる

当たり前の話ですが、儲からない物件だと返済できなくなるので誰も融資をしたくありません。
銀行独自にシミュレーションを行いますが、満室の状態から空室や経費を考慮し、更に金利が上昇した場合でも返済可能か収益性の評価を行います。
各行によって評価方法は異なりますが、目安としては満室状態の家賃に0.6~0.7の掛目をかけ、金利が3~4%でも返済可能か確認します。

儲かる物件か判断基準】
   満室想定家賃×掛目(0.6~0.7) > 返済額(金利3~4%)

③経営できるのかどうか(人物評価)

いくら良い物件で資産がたくさんあったとしても、借入をする人物が信頼できない人であれば融資が難しくなります
クレジットカードや税金の滞納があれば、返済を滞る可能性が高いと判断され融資は難しいでしょう。
不動産投資の実績がある人であれば、これまでどのようなことをしてきたのか、経営者として問題ないか評価されます。

銀行融資に関する考え方は、不動産投資に関する色々な著書に記載されていますが、カーター校長の本も参考になりますので一読をおススメします。


【カーター校長が初めて明かす金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資 著者:河田康則】

銀行融資の裏技(コンサルタントの手法)

銀行から融資を受けられるかを自分で判断するには、①資産超過、②儲かる物件、③経営できるのか、を使って簡易的に判断できます。
もっと融資を受けやすくしたい方は、銀行が行う「スコアリング」を意識する必要があります。

スコアリングとは

銀行から融資判断をする際には、その個人や企業が問題ない貸出先なのか判断するために、定量的な評価を行います。
スコアリングとは、決算書の情報や過去の取引実績等から、個人や企業を点数化する評価のことをいいます。
銀行はそれぞれ独自のスコアリングシート(点数表)を持っており、決算書の情報等から個人や企業をスコアリング(点数化)し、格付けを行います。
格付けが悪い結果になると、いくら良い物件を見つけたとしても融資の稟議が通らなくなります。

どうやって格付けを行うのか

格付けは、以下の3ステップで行われます。

一次評価:決算書の数字に基づく評価

決算書に記載された数字をそのまま使って、安全性、収益性、成長性、返済能力の4項目を定量的に評価します。
この定量評価に関しては銀行それぞれで評価方法も異なりますが、以下のサイトで決算書2期分の情報を入力するだけで自分のスコアを確認できます(完全無料の素晴らしいツールです)。

銀行から自分がどのように見られているのか、何を改善すべきなのか、凄く使えるツールなので、一度試してみてください。

中小企業基盤整備機構「https://k-sindan.smrj.go.jp/

二次評価:決算書上では評価できない項目を評価

経営者の能力や、市場の成長性、販売能力といった決算書には出てこない定性的な項目を評価します。

三次評価:それ以外の返済能力の評価

企業のオーナーの個人資産など、一次評価と二次評価に出てこない融資先の返済能力に関する項目を評価します。

格付けの詳細については別のコラムにて説明しますが、重要な観点は、銀行融資を受けやすくする3原則「①資産超過、②儲かる物件、③経営できるのか」は、全てこの格付けで評価される項目ということです。
格付けの一次評価で安全性という項目では、自己資本比率(=自己資本/総資産)ギアリング比率(借入金/自己資本)といった項目の評価をしますが、「①資産超過」の状態でないとそれぞれの点数は低くなります。
同様に、「②儲かる物件」がどうかは、収益性や返済能力の項目に関わってきます。

つまり、銀行のスコアリングを理解し、高得点になるような物件購入と決算書を作成することが銀行融資のコツです。

銀行融資の極意(元銀行支店長の融資判断方法)

これまでどうすれば銀行の融資を受けやすくなるのか具体的な方法論を整理しました。
しかし、不動産投資を始めた直後や物件の数が少ないうちはどうしても格付けは低くなってしまいます。
どうやったら低い格付けの状態でも融資を受けることができるのでしょうか。

元都市銀行支店長に直接聞いてみました!

私の親戚に都市銀行支店長をやっていた方が偶然おり、どうしたら融資を受けられるのか相談しに行きました。
相談したときはまだ一度も融資を受けられず、地方銀行の融資担当者には鼻で笑われて門前払いをくらったばかりでした。

どうしたら融資を受けられるのかさっぱりわからず、あわよくば「親戚のコネで融資を受けられないかな」という甘い気持ちで相談しました。
自分のやっていることつらつらと説明しましたが、そこで言われた一言が衝撃的で、今でもよく覚えています。

オレを安心させてくれ

銀行の評価方法とか、そういったテクニックは一切教えてもらえず、具体的な助言はその一言だけでした。
しかし、考えてみるとこれが融資の全てだということに気が付きました。

銀行側からすると、全く面識のない相手にお金を貸して、本当に返してくれるのだろうかと常に不安を感じています。
その不安を少しでも解消するために様々な定量的な評価手法を行っています。
どんな資料を準備すれば良いのか、どのような決算書なら良いのかを考えるとき、どうすれば銀行の担当者や支店長を安心させられるかを考えればよいと思います。

もちろんスコアリングを意識した決算書を作り、時間をかけて融資申込資料を作りこみますが、全ては「何があってもお金を返せるから、安心してお金を貸してくれ」と言いたいがためです。
融資を引き出すために色んな手法がありますが、結局は「いかに相手を安心させるか」につきると思います。

常にそれさえ考えれば、どこの金融機関であったとしてもどうしたらよいのかが自ずと見えてきます。

まとめ

本記事では、銀行融資を引き出すためのコツを紹介しました。

【要点】

  • まずは、「①資産超過、②儲かる物件かどうか、③経営できるのか」といった3点について不足している部分があれば改善策を考えてみましょう。
  • 次に、銀行のスコアリングを意識し、行われる一次評価、二次評価、三次評価でそれぞれどうすれば高得点にできるのか考えてみましょう。
  • 最終的には、「どうしたら相手を安心させられるか」を考えて、自分にできることをとにかく取り組んでみましょう。

融資を引き出すために、色んな融資テクニックがありますが、それらは全て銀行員が「安心できる材料」の一部です。

支店長の顔を思い浮かべて、どうしたらあの人が安心してくれるだろうかと考え、自分に足りていないものを準備しましょう。