井戸水の物件は得なのか!?不動産投資で考えるべきメリット・デメリット

井戸水を飲むネコ

不動産投資をしていて、良い物件を見つけたけれど水道未接続の井戸水の物件だった!
そんなときどうしますか?

井戸水についてなんの知識もないまま深く考えずに購入すると痛い目をみるかもしれません。
今回は、井戸水の物件を買ってしまった経験をもとに、不動産投資の対象として井戸水の物件は買っても大丈夫なのかどうか、考えたいと思います。

自分の経験談についてはブログに書いてあるので、そちらもぜひ参考にしてください。

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井戸水物件は入居者にとってはお得!?

お財布に嬉しい

水質的に問題がなければ、井戸水物件は入居者にとってメリットしかありません

まず水道代が無料です。
ポンプを動かす電気代はかかりますが水道代に比べるとかなり安く済みます。
また、アパート等の共同住宅の場合には、ポンプは共用設備になるので電気代は大家持ちで、入居者は完全無料で水を使い放題です。
井戸水は入居者にとってとてもお得なので、客付けにも有利になる可能性も大です。

水質が気になる方もいるかもしれませんが、定期的に水質検査を行わなければならず、万が一水質が悪化して飲用に適さないとなったら、大家負担で飲めるように水質に改善しなければならないので、入居者にとっては大変安心です。

大家側から見た井戸水の物件の実態

お財布に嬉しくない

入居者とは対照的に、大家にとっては井戸水であることに何のメリットもありません。
上水道に比べると、とにかくお金と手間がかかります。
不動産投資対象として井戸水を考える際には、その費用やリスクを考えておかなければいけません。

例として「一般の方が所有していた井戸水の戸建てを不動産投資で購入した」というケースで、必要になってくる手続きやお金を紹介します。

井戸水に関する条例

個人住宅

市町村の条例によって詳細は異なりますが、個人使用の場合には水質検査等は義務化されていません
条例では「水質検査を行うよう努めなければならない」と定められている程度で、厚生労働省の「飲用井戸等衛生対策要領」では1年以内に1回行うことが望ましいとされています。

あくまでもそう努めてほしいという話なので、気にしない人であれば井戸水を色々なところで使用し、飲用している方もいるかと思います。
しかし、自由に使えるのは個人使用のときだけで、同じ物件であっても不動産投資として賃貸住宅になった途端に扱いが明確に変わります。

賃貸住宅(不動産投資)

市町村の条例によって詳細は異なりますが、賃貸住宅の場合には水質検査が義務化されます
名称は様々ですが、「飲料水の確保に関する条例」というものがあり、その中で賃貸住宅の井戸水は「小規模水道」というものに分類されています。
小規模水道は、以下の内容が義務化されてきます。

【大家の義務】

  • 小規模水道設置の確認申請(中古戸建てを購入した場合には、小規模水道に切り替わった時点で申請)
  • 管理責任者の設置と届出
  • 水質検査(設置時、1回/半年、1回/1年)

水質検査の項目としては、基本は以下の項目を確認します。

【水質検査の項目(大家の義務)】

  • 一般細菌
  • 大腸菌
  • 亜硝酸態窒素
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
  • 塩化物イオン
  • カルシウム、マグネシウム
  • 有機物
  • pH
  • 臭気
  • 色度
  • 濁度
  • テトラクロロエチレン
  • トリクロロエチレン

水質検査に問題なければ良いのですが、もし水質基準を満たしてしないときには、給水の停止や水を使用しないように関係者への周知が必要になります
健康に関わってくる問題なので、これを無視すると罰則規定も設けられています。

水質検査も地味にお金がかかり、1年に1回行う検査の場合には、2万円程度かかってきます。
水質に問題がなく、何もトラブルも起こらなければ水質検査を半年に1回の頻度で継続していくことで使用できます。(半年置きに2万円程度の検査と、それもより項目の少ない安い検査を行います。)

不動産投資としては、そのランニングコストを収支計算に入れておく必要があります。

井戸水に関するトラブル

トラブルにお金がかかる

井戸水トラブル① ポンプの故障

上水道と違って、井戸水を使用するにはポンプが必要です。
そのポンプが壊れた場合には、井戸の深さによっても異なりますが数十万円の費用が突然かかってきます。
更に、入居者は水が使えなくなってしまうので、お風呂やトイレにも入れず、家事もできなくなってしまいます。
井戸水を使用できる前提で賃貸していたのであれば、水道が使えなかった期間は賃貸契約不履行の期間として入居者としては家賃を払わないと主張できます
さらに、水道が使えず相手に実害が発生したときには、その損害賠償を受ける可能性もあるので、早急に直さなければなりません。
もちろん急ぎの修理代は高くつきます。
ポンプの故障については、電気的故障の場合には火災保険の特約をつければカバーできますが、経年劣化の故障だと予め交換する以外防ぎようがありません
不動産投資としては、ポンプに問題がないのか事前に確認しておき、古く劣化しているようなら、その交換費用を予め見ておくことが必要です。

【入居者への賠償に関する実体験】

過去に所有物件で水道管が破裂し水道が使用できなくなった事件がありました。
どこまでの損害を賠償するべきか弁護士相談を行いましたが、入居者の実害分は大家負担になる可能性が高いとのことでした。
このときは業者さんもすぐに手配できたことから、水道が使えない期間(1日)のホテル代を負担することで事態を納めました。

井戸水トラブル② 水質悪化

ポンプの故障なら交換すれば済みますが、水質が悪化してしまった場合にはもっと大変です。
まず、条例で

供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは,直ちに給水を停止し,かつ,その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講じなければならない

といった内容が定められています。
これに違反した場合にはしっかり罰則も定められているので、逃げることはできません。

小さいゴミ程度であればフィルターを設置し、フィルターの定期交換でどうにかなるかもしれませんが、それでも今後継続したメンテナンス費用がかかってきます。
原因不明で水質事態が悪化した場合には、高価な浄水を設置しないと対応できなくなります。

実際私たちが購入した物件の場合には、pHと色度が基準値外になっており、それを改善するには30万円の浄水装置をポンプに直結させ、毎月2万円程度のカートリッジ交換を継続的にすれば改善できるという恐ろしいものでした。

どの項目を改善するかにもよりますが、浄水装置の価格だけで数十万円~百数十万円もかかり、しかもそのメンテナンス代がずっとかかってきます。
高額の浄水装置を設置するくらいなら、上水道を接続した方が安く済む場合もあります。
不動産投資としては、購入時に水質が問題ないのか確認しておくこと、万が一使えなくなった場合に備えて、水道管はどこまで来ているのかを確認しておくことが必要です。

井戸水から上水道に変える費用

飛んでいくお金

上水道を使うためには、ざっくり分けて以下の費用がかかってきます。

  • 水道の加入金
  • 道路から敷地への引込工事
  • 敷地内の接続工事

上水道変更にかかる費用① 水道の加入金

水道の過入金とは新規に水道を申し込む際に、水道局へ支払うお金です。
給水管の口径によっても変わりますが、1世帯の一般家庭のなら、20mmの口径で20万円程度かかります。

上水道変更にかかる費用②  道路から敷地への引込工事

上水道の配管がどこまで来ているか、前面道路の状態はどうなっているのかで金額が大きく変わってきます。
一番近い水道管から敷地内へ配管を引き込みますが、そのためには道路を掘削して配管を接続し、その後道路を舗装し直すという工事が必要になります。
工事をする際には、道路を掘削するため、車通りによっては誘導のための警備員も必要になり高くなります。
また埋設されている水道管から自分の敷地までの距離が長い場合には、掘削や舗装にかかる工事代がかなり高くなります。
敷地のすぐ近くまで水道管が来ており、警備員も不要という場合でも最低20万円~30万円程度はかかってきます。

上水道変更にかかる費用③  敷地内の接続工事

道路から引き込んだ給水管を、もともとポンプと接続していた配管までの接続工事を行います。
自分の庭なので舗装されていなければ、重機で掘り返して接続するだけなのでそこまでお金はかかりません。
安く請け負ってもらえれば数万円で実施できます。

その他の注意点

水道管が埋まっている道路が私道の場合には所有者全員の承諾が必要になります。
実はこれも結構やっかいで、所有者が複数いて、なかなか所有者に合えない場合、何度も通う羽目になります。
工事業者に任せることもできますが、その分の手間賃を上乗せされるので、少しでも費用を抑えようと思ったら気合いで会えるまで頑張るしかりません。

水道の利点

安心

水道は接続するためにかなりのお金が必要ですが、接続さえしてしまえば大家側にランニングコストは一切発生しません

水質が常に安定しており、問題が起こってもすべて水道局の責任なので、水質悪化やポンプの故障などの心配がなくなります。
不動産投資としては、「水道接続工事代金」と「井戸水を使用し続けるための将来的なランニングコスト」を比較し、接続すべきかを考えると良いと思います。

不動産投資で井戸物件を買ってもよいのか

同じ条件で井戸水と水道に接続されている物件があるなら、間違いなく水道に接続された物件をおすすめしますが、破格で購入できるなら井戸水の物件も十分にありです。

ただし、井戸物件を購入する前は、水質検査の有無とポンプの状態を確認し、万が一に備えて前面道路の水道管の状況もしっかりと確認しましょう。
そして購入前には必ず水質検査を実施し、結果が基準外となってしまった場合には、その時点で水道の接続工事代金分の値引きを交渉することもできると思います。

水道接続工事のリスクも考えた上で、魅力的な金額で購入できるのであれば、水質検査なしの購入も良いかと思います。

まとめ

この記事では、井戸水物件のメリット・デメリット、購入する際の注意点について紹介しました。

【要点】

  • 井戸水賃貸物件は、入居者にとってはメリットしかなく、大家にとってはデメリットしかありません!
  • 井戸水物件を賃貸するときには、その地域の条例をよく確認しましょう。水質検査は基本的に義務化されており、万が一基準不適合の場合には改善が必須です。
  • もし賃貸中にポンプの故障が発生すると修理費用がかかり、万が一水質悪化が発生した際には高額の改善費用がかかることもあります。更に入居者への補償も必須です。
  • 井戸水物件を購入する場合には、水質が問題ないのか必ず確認し、最悪の事態にも備えて前面道路の水道管の状況も確認しましょう。

ちなみに、私たちが経験した井戸水物件についてはこちらの記事に記載しています。