- ジモティーって何で安い物件が多いの?
- 事故物件とか怪しい物件が多いの?
- ジモティーで契約したら危ないの?
こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
本記事を読めば、『なぜジモティーで安いお部屋がたくさん見つかるのか』を理解でき、安心してお部屋探しができるようになります。
記事の前半ではジモティーに掲載している人と安い理由を、後半ではジモティーでお部屋探しをする注意点をご紹介していきますので、ぜひ気になる箇所だけでもチェックしてみてください。
怪しいからジモティーで探すのはちょっと・・・
私もお部屋を掲載していますよ
- ジモティー賃貸が安い本当の理由(大家の裏事情を解説)
- ジモティー賃貸を利用する際の注意点
- ジモティー賃貸のメリット、デメリット
ジモティー賃貸とは
ジモティーとは、株式会社ジモティーが運営している全国の無料広告の掲示板(クラシファイドサービス)のことです。
中古品や求人情報などが無料で掲載でき、不動産のカテゴリも存在しており、賃貸物件や売買物件の掲載・募集を無料で行えます。
不用品の処分でつかったことあるよ
ジモティーの特徴
ジモティーの特徴は、以下のとおりです。
特徴①:手数料が一切不要!
ジモティーは、他のサイトと異なり、広告の掲載から取引時の手数料まで広告掲載者・購入者いずれも全て無料で使用できます。
不用品の取引で有名なヤフオクやメルカリでは、決済時に手数料を引かれますが、ジモティーであれば出品者・購入者ともに手数料不要で取引ができます。
また、不動産の広告についても同様に無料で広告の掲載・取引ができます。
不動産取引で唯一お金がかかるのは、掲載した広告を目立たせるために、色をつけたり、上位表示させよるオプション購入(有料)のみで、購入者側は一切お金はかかりません。
特徴②:匿名でやり取りが可能
ジモティーで広告を掲載するためには、ユーザー登録が必要となりますが、ニックネームで全て取引ができるので、基本的に匿名で利用可能です。
また、購入者側についてはユーザー登録せずに利用も可能です。
特徴③:チャットで連絡しあう
ジモティーでは、気になった商品などがあったら、チャットで掲載主と直接やり取りを行います。
チャット内で詳細情報などを確認し、お互いに条件が合えば相手との待ち合わせ場所を設定し、直接会って商品を渡したり、売買などを行います。
賃貸物件の場合には、入居希望者から『内見したい』、『申込したい』といった連絡を直接広告掲載者にし、実際に現地で待ち合わせして内見等を行います。
上記は取引の一例ですが、特に決まった使い方はないので、内見しないで契約であったり、オンライン内見などお互いの自由に取引が可能です。
ジモティーに賃貸物件を掲載しているのはどんな人?
ジモティーってどんな人が物件を掲載しているの?
ジモティーは誰も登録できますが、賃貸物件を掲載しているのは、主に以下のような方に限定されます。
ジモティー掲載者① 宅建業者(不動産業者)
街中などでよく見かけるいわゆる不動産屋のことです。
賃貸物件の仲介を行っている不動産屋さんはSUUMOやat homeなどのポータルサイトにも掲載していますが、大手ポータルサイトの掲載枠は有料なので店舗ごとに掲載数にも限りがあります(増やすとその分お金がかかります)。
しかし、ジモティーであれば掲載料無料でいくらでも掲載できるので、宅建業者(不動産業者)も募集に利用しています。
ただし、ジモティーを利用している不動産屋は、店舗を持たないような小規模な不動産屋さんが主です。
ジモティー掲載者② 大家(物件のオーナー等)
物件のオーナー(所有者)や管理者といったいわゆる大家さんも掲載しています。
賃貸で有名な『SUUMO』への掲載は宅建免許を取得した業者のみに限定されており、大家は掲載できません。
大家が直接賃貸物件を掲載できるサイトは限られており、その中でも最も利用されているのがジモティーです。
【個人オーナー様向け】SUUMOに広告掲載をしたい
SUUMO ヘルプページ
SUUMOへ広告掲載をご検討いただき、ありがとうございます。
SUUMOでは、ご掲載にあたり「宅建免許取得済みであること」を、登録条件の一つとしております。
つきましては、たいへん恐れ入りますが、個人オーナー様の場合は、まずはお近くの不動産会社へご相談くださいますようお願いいたします。
私も大家さんとしてジモティーを利用しています
ジモティー掲載者③ 提携サイト
『ジモティー』と『HOME’S』はサイト提携されており、『HOME’S』の掲載物件が『ジモティー』にも掲載されています。
ジモティーの物件情報をよく見ると、右上に『提携サイト』と記載されている物件がありますが、これが連携されている情報です。
物件の詳細情報を見ると、『HOME’S』の情報をそのまま転載されているような内容で、明らかに異質なので、見るとすぐにわかります。
ジモティー賃貸が安い理由
なんでジモティーの物件は安いの?
必ずしも全物件が安いわけではありませんが、ジモティーに掲載されている物件は、他のポータルサイトに比べるとやはり安い物件が多いです。
ではなぜジモティーには安い物件が集まるのか、その理由を解説します。
安さの理由① 仲介手数料、広告料が不要!
ジモティーが安い1つ目の理由は、仲介手数料や広告料がかからないからです。
賃貸物件へ入居するためには、家賃以外に以下のような費用がかかります。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 保証会社保証料
- 火災保険
これらのうち、仲介手数料は不動産業者を利用しているから発生しており、大家と直接契約すればかかりません。
大家との直接契約以外でも仲介手数料が半額や無料といった物件もありますが(例えばエイブル等)、その仲介手数料は大家が負担しているだけで、仲介手数料自体は実際なくなっていません。
また、不動産業者の仲介による契約では、大家は不動産業者に対して広告費として家賃1~2カ月分を支払っています(競争が激しいエリアだと家賃3カ月分の広告費を支払っています!)。
ジモティーを利用して大家と入居者が直接契約できれば、『仲介手数料1カ月分』と『広告費1~2カ月分』がそもそも不要となり、大家としてもその分値引きができるので、初期費用の割引や家賃の値下げといった対応ができます。
大家さんと入居者の払うお金がどっちも少ないからか!
大家も入居者を見つけるためにかなりお金を払っています
安さの理由② 大家の副収入もある(ただし、人による)!
2つ目の理由は、大家と直接契約すれば人によっては大家に副収入も発生するからです。
入居時に保証会社や火災保険を契約していると思いますが、その支払ったお金の一部は契約をした代理店(不動産業者等)に代理店手数料が支払われます。
もし大家さんが代理店をやっていると、契約時に大家さんへ代理店手数料が入るので、不動産業者が仲介した場合に比べて大家さんの負担が更に減少します。
したがって、その分だけ初期費用を下げるといった対応もできます。
ただし、大家さん自身で代理店までやっている方はかなり少ないので、そういった物件に出会えることは稀です。
代理店手数料ってどのくらいもらえるの?
1契約につき千円くらいです?
安さの理由③ 積極的に動く大家さんが利用している!
3つ目の理由は、積極的に動く大家さん(早く空室を埋めたい大家さん)が利用しているからです。
日本全国の大家さんのうち、ジモティーで物件を募集している大家さんの割合はかなり少ないです。
ジモティーを利用している大家さんは、私のように自主管理で自ら積極的に動く大家さんくらいで、地主大家さんや、管理を不動産業者へ全て任せている方などは全くといっていいほど利用していません。
積極的に動く大家さんは、常に物件を満室稼働させたいと強い想いを持っているので、相場からかけ離れた条件で募集することはまずなく、どちらかというと相場よりも少し家賃を下げて空室期間を少なくさせたいと思っています。
そのため、ジモティーに掲載される物件としては、相場よりも安めの物件が多く掲載される傾向になります。
大家さん全員が使っているわけじゃないんだね
安さの理由④ 不動産屋が扱いにくい物件を掲載できるから!
4つ目の理由は、不動産屋が扱いにくい物件であっても自由に募集できるからです。
大家さんは不動産業者へ物件の募集をお願いしますが、どんな物件でも募集してくれるわけではありません。
例えば、以下のような物件は不動産業者は積極的に募集をしてくれません(そもそも断られるか、受けたように見せて全く募集してくれないこともあります)。
- 家賃の低い物件
- 難ありの物件
まず、家賃が低いと不動産業者がもらえる仲介手数料は相対的に低くなり(最大家賃1カ月分まで)、広告費があったとしても新築や築年数の若い物件に比べて報酬が少なります。
また、古い物件や難ありの明らかに成約率が悪そうな物件だと、案内するだけ時間の無駄になるので、そもそもポータルサイトへの掲載すら嫌がられます。
ジモティーであれば、なんとか入居者を決めたいと思っている大家自身が募集するので、他のポータルサイトに出にくい家賃の低い物件や難ありの物件も掲載されます。
ジモティー賃貸の注意点
ジモティーって安いけど大丈夫なの?
不動産業者に比べるとテキトーなので、注意点も説明しておきます
ジモティーには安い賃貸物件が集まりやすい傾向がありますが、全てが安心して契約できるわけではありません。
ジモティーで賃貸物件を探す際の注意点を説明します。
注意点① 仲介業者がいないので、自分で確認が必要
1つ目の注意点は、大家と直接契約する際には仲介する不動産屋がいないので、自分自身で全て確認が必要になることです。
不動産業者の仲介で契約する際には、宅建業法で定められた重要事項説明書などが必ずありますが、大家と直接契約する場合は特に制限はありません。
また、契約書の書式や記載事項なども定まった形式があるわけではないので(国土交通省が出している『賃貸住宅標準契約書』といったものもありますが、絶対これを使えといったものではない)、大家が準備した書面で契約を行います。
良心的な大家であれば問題ありませんが、契約書になったら突然非常識な事項を記載したり、当初の説明と異なっているなど、全くトラブルが起こらないとはいいきれません(不動産業者でも同様のトラブルは起こる可能性はありますが)。
そのため、契約前に大事なことは確認しておくなど、自分自身で責任を持って契約する必要があります。
大家さんって契約書をどうやって用意しているの?
アマゾンで購入したり、ネットで様式を取得したり、色々ですよ
注意点② 火災保険や入居中のサービスがない場合がある
2つ目の注意点は、火災保険などの必要なサービスに入りたくてもそもそもない場合が多いことです。
不動産業者の仲介で契約する場合には、一般的に火災保険(家財保険+費用保険)は強制的に加入となりますが、大家さんと直接契約する場合で大家さんが火災保険の代理店をやっていなければ基本火災保険の話は出てきません。
一見、「火災保険の分だけ安くなってお得」と思いますが、万が一のときに自分を守ってくれる大事な保険です。
【もし火災保険へ加入しないと・・】
例えば、洗濯機からの漏水で床が水浸しとなり、下の階まで影響を与えると、設備の不具合でなければ、家の修理代金から下の階の住人の家財まで全額入居者の負担となり、安くても数十万円はかかります。
たばこやお香など、誤って火災を起こすと、数百万~数千万円の負担です。
そのため、もし大家さんが保険を用意していなければ、自分自身で何らかの賠償に備えた保険へ加入しなければなりません。
家財を守るためじゃないんだ
大規模な損害に備えるのが保険です
注意点③ 業者掲載物件は必ずしもお得ではない
3つ目の注意点としては、業者が掲載しているお部屋は必ずしもお得ではないことです。
ジモティーだと仲介手数料や広告費が不要といいましたが、それは大家が掲載した場合だけで、不動産業者が掲載している物件は話が別です。
不動産業者によっては成約数を増やすために自主的に仲介手数料を半額にするなど自らの負担で初期費用の削減をしている方もいますが、手数料収入を目的としている仲介だとそもそも大家の利益構造とは異なるので、必ずしもお得になっているわけではありません。
また、『HOME’S』から連携された情報は、『HOME’S』の掲載情報と同じなので、仲介手数料や諸条件は大手賃貸ポータルサイトと同様です。
もし初期費用を安くしたいけど、ジモティーは不安という方は、次の記事を参考にしてください。
ジモティー賃貸のメリット、デメリット
最後に、ジモティーでお部屋探すをするメリットとデメリットを紹介していきます。
ジモティー賃貸のメリット
メリット① 安い
これまで紹介したように、大家が直接募集していれば、仲介手数料は不要で、大家が負担する広告費も不要なので、同じ物件だったとしてもお得に入居ができます。
ただし、必ずしも大家さん全員がジモティーでお得な条件で募集しているわけではないので、ご注意ください。
メリット② 早い(大家と直接交渉できる!)
不動産業者の仲介で内見や契約をする場合、家賃や諸条件を交渉するには仲介業者を通して大家との交渉を行います。
ジモティーであれば、大家と直接交渉ができるので、相手の反応を見ながら良い条件で契約もできるかもしれません。
メリット③ 大家の人柄がわかる
ほとんどの物件は管理会社や仲介業者を通して大家さんと連絡を取り合うため、大家さんに直接出会うことはほぼありません。
ジモティーであれば、大家さんと直接連絡を取り合い、内見も大家さんがやっていれば直接会って話もできるので、大家さんの人柄もわかります。
メリット④ 大家の評価もわかる
ジモティーでは、投稿者に対して評価ができるので、大家さん自身の評価もわかります。
ただし、一度メッセージさえ送れば誰でも評価できるシステムのため、必ずしも正しい評価とはいえないので、ご注意ください(嫌がらせの評価を受けることも多々あります)。
メリット⑤ 審査が緩い(ただし、人による)
不動産業者の仲介で入居する場合、保証会社の審査とは別に大家さんによる審査もあります。
危なそうな方だと内見してくれた不動産業者から、「やめたほうがよい」とアドバイスをもらって、お断りするケースも実際にあります。
ジモティー経由で直接連絡を取り合うと、実際に自分が会って進めている手前、危なそうな方でも断りづらいという心境になります。
そのため、不動産業者の仲介に比べると大家の審査は緩くなります。
ジモティー賃貸のデメリット
デメリット① 物件情報が少ない(築浅は非常に少ない)
SUUMOやat homeなどのポータルサイトに比べると、ジモティーに掲載される物件数は少ないです。
ジモティーへ掲載するのは、小規模の不動産業者か大家さんがメインなので、賃貸市場に出ている物件の中でもほんのわずかだけです。
特に、新築や築浅の物件は、ジモティーに掲載しても成約しにくく、仲介専門業者も喉から手が出るほど扱いたい物件なので、ジモティー掲載されることは稀です。
どうして築浅物件はジモティーで成約しにくいの?
ジモティーで物件を探す方は、費用を抑えたい方が多いからです
デメリット② 検索しにくい(物件表示は掲載順)
ジモティーでは、他の賃貸ポータルサイトに比べて検索条件がほぼないです。
例えば、秋田県で賃貸物件を探そうとすると、以下のフィルターしかかけられず、住みたい間取りや築年数、駅からの距離などの条件で検索できません。
また、掲載している物件の並びは『掲載順』で、家賃などの条件で並び替えもできません。
そのため、上から順番に全物件をひたすら見ていくしかないので、かなり不便です。
デメリット③ 見づらい(掲載情報が統一されていない)
物件の詳細を見ると様々な情報が記載されていますが、掲載内容のほとんどはフリーフォーマットです。
ジモティーで賃貸物件を掲載する実際の入局画面は、以下です。
フォーマットとして準備されているのは、
- カテゴリー(戸建て、アパート、マンション)
- 地域
- 家賃
- 管理費、共益費
- 敷金、礼金
- 間取り、面積
- 築年月、階数、住所
- 画像(5枚まで)
だけで、その他の細かい条件は掲載者が自由に記載します。
そのため、掲載内容は投稿者によってさまざまで見づらく、情報量にもバラつきがあります。
また、写真も5枚しか載せられないので、他のポータルサイトに比べると情報量は少なくなります。
使いにくいけど、頑張ればお宝が見つかるかもだね
まとめ
本記事では、ジモティー賃貸がなぜ安いのか、大家目線で解説しました。
要点は、以下の通りです。
- ジモティーは、全国の無料広告の掲示板で、宅建業者でなくとも物件の掲載ができます。ジモティーに賃貸物件を掲載しているのは、①小規模不動産業者、②大家さん、③提携サイトです。
- ジモティーは、大家さんと直接契約できれば仲介手数料は不要で、大家さんが不動産業者に支払う広告費も不要なので、お得な条件で契約できる可能性が高いです。また、大手の仲介専門業者が扱いにくい賃料の低い物件も掲載されるので、初期費用や家賃の安い物件が掲載されやすいです。
- 大家さんと直接契約となると宅建業者が仲介として入らないので、自分自身でしっかりと確認し、場合によっては火災保険も自分で手配する必要があります。
- ジモティーでは、大家さんと直接交渉もできるので話が早く、大家さんの人柄もわかるというメリットがあります。一方、ジモティーに掲載される物件数は少なく、物件も探しにくいので、良い物件を見つけるには根気強く探さないといけません。
ジモティーで賃貸物件を探すには時間がかかりますが、頑張れば良い物件、良い大家さんと出会えるかもしれません。
ジモティー以外で安いお部屋を探す方法
ジモティーでも安いお部屋を見つけることができますが、必ずしも安いお部屋ばかりではありません。
もし初期費用を安くしたいという方は、『賃貸の初期費用を抑える・安くする方法12選!』の記事を参考にしてください。
また、初期費用自体が高額で支払えないという方は、分割で支払う方法もありますが、大抵のサービスは総支払額が高額となってしまい、入居後つらくなってしまいます。
初期費用を分割にしつつ総支払額も減らしたいという方は『【10万円損します】賃貸の初期費用が払えないときの解決策』の記事も参考にしてください。