こんにちは。ぶたどんです。
今回はジモティー賃貸のトラブルについて紹介します。
誰でも無料で利用できるポータルサイト『ジモティー』では、不動産の売買物件や賃貸物件も掲載できます。
広告のオプション購入をしなければ完全に無料で利用できることもあり、広告費を節約したい大家さんや初期費用を抑えたい入居者さんにとっては、双方にメリットのある取引もできます。
しかし、ジモティーと聞くと、他のポータルサイトと違ってなんとなく悪い印象を持たれている方も多いと思います。
そこで、本記事では、実際にジモティーで賃貸物件を募集したことで経験したトラブル事例とトラブルを防ぐための対策をご紹介したいと思います。
ジモティーのトラブル体験談
私は2020年からジモティーを使って入居者の募集活動を始めました。
それまでは入居者の募集活動を全て不動産会社へ任せっきりで、不動産会社(仲介)では保証会社の審査に落ちた方は1人もいませんでした。
しかし、なぜかジモティーで自分で客付けしたときには保証会社の審査に落ちる人が続出しました。
保証会社が厳しいのかと思い、審査が通りやすいことで有名な保証会社とも代理店契約し、そちらを利用して入居してもらうと、入居してわずか1カ月で滞納をし、滞納・返済を繰り返しつつ最後は夜逃げ。
ジモティー経由で入居した別の方も、徐々に滞納額が増え、訴訟目前で突然音信不通になり、荷物(ゴミ)を残したまま夜逃げ。
もはや滞納や夜逃げが日常の出来事になり、それ以外にもこれまでに経験したことないトラブルが続出しました。
実際にジモティーを利用したことでどんなトラブルがあったのか、その一部をご紹介します。
ジモティートラブル体験談① 内見に誰も来ない
ジモティーでは、物件を掲載すると色んな方からメッセージを受けます。
そのときも以下のようなメッセージを受けました。
初めましてジモ子と申します。
掲載されている物件について、実際の物件を見学させていただきたいです。いつなら可能でしょうか?
内見日時を約束し、実際に現地で待っていました。
しかし、約束時間になっても誰も現れず、以下のようなメッセージが・・。
ちょっと家族が体調を崩してしまい無理そうです。
母が遊びに来ていて、少し腰が痛いと言っています。
別の日に内見でも大丈夫でしょうか?
そういうことなら仕方ないかと思い、再度別の日を設定し、また現地で待っていました。
しかし、約束の時間を過ぎても誰も現れず何の連絡もないので、こちらから連絡をすると・・
今日はちょっと急な予定が入ってお伺い出来そうにありません。
さすがにこれには私も頭にきてしまい、
約束を守れない人とはお付き合いできません!
もうお断りします!
内見に誰も現れない方もたまにいるので、できる限り当日の朝に連絡をとり、本当に内見できるのか確認すると良いと思います。
ジモティートラブル体験談② 契約を先延ばし、そしてドタキャン
物件のリフォームが終わり、ジモティーで入居者の募集をしたところ、内見したいという方から連絡がありました。
実際に会ってみると若そうな男性で、部屋を見てすぐに
きれいなお部屋なのでぜひ入居したいです!
入居は1カ月後からでも大丈夫ですか?
絶対に入居するので!!
まぁ1カ月後ならいいかなと思い、承諾しました。
無事に保証会社の審査も通過し、契約日を決めようとすると、
仕事の都合がつかないので、契約日の数日前に契約でも良いですか?
本人が「絶対に入居する」と言っていたこともあり、少し先になるのは不安だけどまぁ仕方ないかと思い承諾をしました。
その後、契約日が近づいたので連絡をとると、
仕事の都合がつかないので、契約日と入居日を同日でも良いですか?
入居は●日からお願いします!
数日後に入居ということもあり、まぁ同日でも仕方ないかと思い、渋々承諾しました。
そして、契約の前日の夜になって突然、
やっぱり契約はキャンセルします。
絶対に入居すると約束したので契約日を先延ばししましたが、あまりにも自分勝手な対応にたろーも怒り、
殴られたら、もっと強く殴り返せ!
相手になめたマネをされたら、10倍にして返せ!
by ドナルド・トランプ
徹底的に法的武装をし、真剣に訴訟を起こすつもりで準備し、やり返しました。
詳細は別の記事で報告しようと思います。
入居日が先になりそうな場合には、できる限り早く契約を済ませるか、相手から保証金としてお金をもらっておくことが大事です。
ジモティートラブル体験談③ 1度も家賃を払うことなく夜逃げ
ジモティーで募集をしていると、遠方から問い合わせをいただくこともあります。
通常、内見してから保証会社の審査へ申し込み、別日に契約を行いますが、遠方の方だと内見なしで先に保証会社の審査を行い、内見と同時に契約することもあります。
(不動産会社の仲介で内見前に契約する場合には、トラブル防止のために「内見していないが後で文句は言いません」と契約時に一筆もらいます)
申込をいただいたのは、個人事業主(建築関係)の方で、保証会社の審査も問題なく、仕事で頻繁に来るからホテル代わりに借りたいとの理由だったので、まぁいいかと思い承諾しました。
契約日に初めて会ってみると、大変不愛想な方でまともに会話しようとしませんでした。
初期費用の支払い時も、「ほらっ」とお金を床に投げる始末・・。(地べたで契約していました)
ヤバそうな雰囲気しかない方でしたが、まぁお金をちゃんと払ってくれるならいいかと思い、契約を済ませて帰りました。
お金を投げて渡す方は、ダメだと思います!
家賃は毎月口座振替での支払いとしていますが、一度も引落できず、そのまま4カ月分滞納がたまったところで、警察・保証会社・私たちで室内の安否確認を行い、『夜逃げ』を確認しました。
室内にはなぜか赤ちゃん用オムツと少量のゴミが残され、部屋はほとんど使われていないきれいな状態のままいなくなっていました。
残置物がたくさんあるときには、訴訟~強制執行での退去となりますが、少量のゴミだけだったので、警察の『夜逃げ確認』をもって、退去完了となりました。
結局初期費用だけを支払い、訳ありの子どもと一時的に生活をするセカンドハウス利用だったのかもしれません。
ちなみに緊急連絡先の母親に連絡をとると、『関係ありません!』と言って、一切話すらできませんでした・・。
万が一のことを考えると、契約時や審査申込時に『緊急連絡先の方に本人確認をしても大丈夫ですか?』と伝え、相手の反応を見るとヤバい方かどうか判断できることもあります。
(夜逃げする方の緊急連絡先は、電話をかけても誰もでないか、既に縁を切られています・・)
ジモティートラブル体験談④ 部屋をめちゃくちゃにし夜逃げ
戸建て物件の入居者を募集していましたが、なかなか決まらず、若干焦っている時期のことでした。
若い女性からの問い合わせでやっと入居が決まりましたが、内見時から違和感が満載でした。
相手が多忙とのことだったので、契約は郵送で行ったところ、初期費用をなかなか払ってもらえずに「キャッシュカードを紛失してしまいました」と言い訳をされて回収にかなり手間取りました。
入居してからは家賃を一度もまともに支払わないのに、クレームは何度も入れてくる神経の図太さに驚きました。
そして滞納が重なり、訴訟ギリギリになったところを見計らい、夜逃げしていきました。
警察・保証会社・私たちで室内の安否確認を行うと、室内はペットフード、トイレの砂、糞、スパゲッティ、不要になった荷物が散乱しており、ひどい状況でした。
小動物以外のペットは禁止だったのですが、猫を飼育しておりクロスもションフロアもボロボロ、室内毛まみれでした。
更には数年前に交換したばかりの洗面化粧台のボウル部分も割られていました。
溜まっていた郵便物を確認すると複数人の宛名があり、数人で住んでいた可能性もあり、とんでもない入居者でした。
なぜかLINEはつながる状態のままで、新住所まで教えてくれたのですが、これは払う意思があると見せかけて訴訟を避ける術だったようです。
このケースでは、保証会社と元入居者との間でなんとか残置物処分の承諾をもらえたようで、訴訟はせずに残置物撤去完了の日をもって、退去となりました。
ボロボロにされたことで原状回復にはかなりお金がかかってしまい、保証会社に立て替えてもらえましたが、自己負担もかなり発生しました。
保証会社の原状回復費の限度額が1カ月分だと全然足らないと痛感しました(それ以降は別の保証会社を利用しています)。
なお、その後の少額訴訟のお話は以下の記事に書いてあります。
ジモティー不動産賃貸のトラブル発生確率
ジモティーを利用してみると、これまで想像もしなかった出来事がたくさん起こりました。
感覚的に問題ある方が多いような気がしましたが、実際にどの程度の確率で問題が発生するのか、自分の過去のジモティー問い合わせデータを集計してみました。
データ集計方法
- 2020年11月~2022年7月までのジモティー問い合わせ全件(129件)
- ジモティー経由で契約した方、全員を分類(23件)
- 滞納や夜逃げは、上記期間内(2020.11~2022.7)で発生した分のみ集計
ジモティー経由問い合わせ者の内訳
問い合わせ(129件)を分類した結果は以下のとおりです。
上のグラフを見てわかることは、
- 問い合わせのうち、実際に内見する方は全体の40%(ほとんどは問い合わせ1通のみで終わる)
- 内見希望者のうち、内見に来ない確率は10%
- 実際に内見した人のうち、審査申込する確率は74%
- 審査申込者のうち、保証会社の審査に落ちる確率は23%
- 全体の成約率(契約に至るケース)は、問い合わせ全体の18%
不動産会社への問い合わせに関するデータがないのでなんとも言い難いですが、ジモティーの場合には匿名でメッセージを送れるので、問い合わせのみで終わるケースが多いと考えられます。
また、不動産会社経由で申し込みがあった方で、保証会社の審査に落ちるケースはかなり稀なので(今まで一度しかありませんでした)、高頻度で審査に落ちるようです。
ジモティー経由の契約者内訳
契約者(23件)を分類した結果は以下のとおりです。
上のグラフを見てわかることは以下のとおりです。
- 入居者のうち、一切トラブルのない方は全体の60%(5人中2人はトラブル発生)
- 入居者のうち、夜逃げは全体の20%(5人中1人は夜逃げ)
不動産会社経由のデータと比較せずとも、滞納や夜逃げが頻発しているのは明らかです・・。
なんとなく問題が多い気がしていましたが、明らかに高確率でトラブルが発生します。
ジモティー不動産賃貸のトラブルを防止するためには
トラブルばっかりだとジモティー使うのもどうかと思う・・。
これまでの経験上、ジモティー経由の入居者は、一般的な不動産会社仲介による入居者と比べると、滞納や夜逃げをする方が圧倒的に多いのは間違いありません。
しかし、賃料の低い物件の場合には、不動産会社の仲介よりもジモティーで募集した方が初期費用が安いこともあり明らかに早く成約できるのも事実です。
そのため、私の個人的な考えとしては、十分な対策をした上で、今後もジモティーを積極的に活用しようと考えています(いつか嫌になるかもしれませんが・・)。
ジモティーでのトラブルを防止するためにできる対策をいくつかご紹介します。
対策① 正式な賃貸借契約書で契約を行う
今後の訴訟等に備えるために絶対に正式な契約書を作成しましょう。
お互いの信頼関係を基に口約束だけで色んな話をすることもあると思いますが、高確率でトラブルが発生するので、面倒でも絶対に契約書を作成しましょう。
契約書のフォーマットがないという方は、不動産会社の仲介で使用した契約書を参考に作成すると良いです。
対策② 保証会社を利用する
大家と入居者の直接契約であっても必ず保証会社を利用し、保証会社の審査を通過できない方はきっぱりお断りしましょう。
また、保証会社を利用する際にも、予め退去時に入居者が立ち会えない(夜逃げされる)ことを想定し、それでもある程度の代位弁済可能な保証会社を利用しましょう。
保証会社のチラシを見ると、
『原状回復費や早期解約違約金を●カ月補償』
と素晴らしい内容で書いてあっても、現実に利用しようとすると
『退去時の本人の承諾がなければ代位弁済不可』
『通常の退去立会時しか代位弁済不可(夜逃げ時は利用不可)』
等、どこにも明記されていない裏の条件が存在している会社もあります(パンフレットには書いていないが、契約書には書いてある場合もあります)。
例えば、全保連株式会社の場合、本人不在で退去立会ができない場合でも、ハウスクリーニングの負担を賃貸借契約書に明記していれば代位弁済可能ですが、原状回復費は本人の承諾がなければNGです(ハ
ウスクリーニング費用は金額まで明記せずとも代位弁済可能ですが、金額が書いていないと担当者からクレームが来ます)。
しかし、フォーシーズ株式会社の場合には、退去時に本人の承諾がなければ契約書に明記されていたとしてもハウスクリーニング費用は一切代位弁済してもらえません。
そのため、『原状回復費を●カ月補償』だからと油断せずに、夜逃げや退去立会ができない場合に、どこまで代位弁済可能なのかしっかりと確認してから利用しましょう。
パンフレットだけ見て利用したら、夜逃げ時に全然補償されずに絶望しました・・。しっかりと確認しましょう!
対策③ 火災保険を利用する
入居者が室内を破損させた場合に備えて、必ず賃貸用の火災保険に加入してもらいましょう。
その際、特におすすめなのが、『入居者による破損・汚損』を補償してもらえる火災保険へ加入することです。
入居者が加入する少額短期保険も様々な会社があり、会社によって補償範囲が異なっているので、どの火災保険を利用するのか事前によく検討しましょう。
『入居者による破損・汚損』を補償してもらえる保険を利用すれば、保証会社の補償限度額を超える原状回復費が発生した場合でも負担なく修繕できるケースもあります。
新しい出来事ばかりでドキドキでした。
次の記事から物件の紹介です。
対策④ 入居者との信頼関係を築く
保証会社や火災保険を利用すれば損失をある程度カバーできますが、トラブルの発生自体を防ぐことはできません。
トラブルの発生を防止するためには、できる限り入居者との信頼関係を築くことが大事かなと思います。
不動産会社経由で入居するとほぼ会うことはないですが、自分でジモティーを使って契約すると内見時や契約時等、必ず何度か会うことになります。
そこでしっかりと相手と話をし、ある程度の信頼関係を築ければ防げることもあるかなと思います。
一例ですが、入居後に職を失い、滞納が続き保証会社から一切連絡のとれない入居者がいましたが、なんとか私とだけは連絡がつき、最後は夜逃げせずに退去立会ができました。
「住まわせてくれてありがとうございました」と悲しそうに退去されたのが大変印象的でした。
と偉そうにいっても、どんなにこちらから頑張ってコミュニケーションをとろうとしても、無理な方は無理なので、ある程度のトラブルはつきものとして諦めましょう!
ジモティーの全てが悪いわけではない
ジモティーでトラブルが頻発しているという話をしましたが、ジモティーで内見に来る方で、あからさまに態度が悪い方はとても少ないです。(たまに威圧的な人がいますが・・・)
滞納した人たちも、最初は大抵いい顔をしているので、第一印象はいい人そうで、言動に少し違和感があるくらいで、とんでもないクレイジーな方に出会うことの方が稀です。
また、ジモティーを利用している方の中にも優良な方はたくさんいます!
ジモティーでは仲介手数料がかからないので、賢く節約している方も利用していますし、そういう方は堅実でとても真面目なので滞納は一切しません。
これまでに出会った方だと、
- 中小企業の会社経営者
- ジモティーで仕事も見つける自営業者
- 優秀なノマドワーカー
- お金がないけど明るく優しい夫婦
など、自分より圧倒的に賢く、少し話しただけでも純粋にすごいなと思う方もたくさんいました。
そのため、ジモティーではお金がなくて困っているタイプと堅実に節約しているタイプの二極化を感じます。
皆様は悪い方に当たらないようによく見極めて利用しましょう。
まとめ
本記事では、ジモティーで不動産賃貸をした場合のトラブル体験談、トラブルの発生確率、トラブル防止のための手段を紹介しました。
要点は以下のとおりです。
今回はジモティーで起こるトラブルという観点で集計を行いましたが、ジモティーを利用している人の中にも優秀な方や優しい方もたくさんいます。
ジモティーの不動産賃貸というと印象が悪く、絶対に利用したくないという方もいると思いますが、多少手間をかけてでも早く入居者を決めたいという方は、ぜひ一度利用してみると良いと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ジモティーでの募集は自信がないという大家さんには、SUUMOなどのポータルサイトに自分で掲載できるサービスのECHOESがおすすめです。
ECHOESについてこちらの記事に詳しく書いていますのでぜひご参考にしてみてください。