少額訴訟やってみた!実際の手順と体験談【原状回復費の請求】

少額訴訟
ぶたどん
ぶたどん

こんにちは。大家のぶたどんです。
少額訴訟の体験談を紹介します。

原状回復費の請求について、少額訴訟を実際にやってみました。

少額訴訟とはどんな手続きなのか、どうやってやるのかなど、私が実際にやった体験談を交えて詳細にご紹介していきます。

なお、最初から最後まで弁護士などの専門家には一切頼らず、全て自分で進めました

訴訟したいけど、弁護士に頼むと費用割れするという方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 少額訴訟とは何か
  • 少額訴訟の具体的な手順と手続き(全て自分でやる方法
  • 実際に少額訴訟をやってみた体験談
  • 調停に代わる決定とは何か
  • 「訴訟」せずに「調停に代わる決定」へ変更された体験談

少額訴訟に至るまでの経緯

戸建て物件に1人で入居していた若い女性入居者がいました。

入居直後から滞納と返済を繰り返し、ギリギリの訴訟が起こせない状態の滞納を重ねて暮らしていましたが、最終的には保証会社から退去を迫られ、夜逃げをしてしまいました。

警察の立会で室内の確認をしましたが、恨みでもあるのかというくらい悲惨な状態に荒らされていました。

室内には食べ物がぶちまけられ、ペット禁止物件なのに室内で猫を飼っていたため、猫の糞や毛も大量に残され、壁や床は爪痕でズタズタ。さらに設備は破壊・・。

原状回復費の一部は、保証会社から立替てもらい、壊した設備は保険会社の破損・汚損も利用しましたが、それでも足りません。

夜逃げとはいいつつもLINEで本人と連絡がとれていたので、現状回復費を請求すると、

元入居者
元入居者

分割で支払います。来月のお給料日まで待ってください。

しかし、支払ってもらませんでした。
その後も『出張』、『大量不良』、『キャッシュカード紛失』など言い訳ばかりで一向に支払ってもらえず、最後は着信拒否+LINEブロックで音信不通になりました。

相手が住んでいるか確証は持てませんでしたが、住所だけはわかっていたので、少額訴訟をすることにしました。

ちなみに、少額訴訟と並行して、「債権仮差押え」という手続きも行っていますので、そちらは以下の記事に記載しています。

へそ太郎
へそ太郎

そんなこともあるんだね・・。

ぶたどん
ぶたどん

生活保護受給のために市役所へ相談したり、保証会社と交渉したりしてたのに、最後がこれだなんてプリプリです。LINEブロックにはさすがに怒りました。

少額訴訟について

少額訴訟

まずは少額訴訟とは何なのかご紹介します。

少額訴訟とは

少額訴訟(しょうがくそしょう)とは、60万円以下の金銭の支払い請求を目的とする裁判手続きのことです。

具体的には、裁判所のホームページに記載されているので、参考に引用します。

1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができます。
原告の言い分が認められる場合でも,分割払,支払猶予,遅延損害金免除の判決がされることがあります。
訴訟の途中で話合いにより解決することもできます(これを「和解」といいます。)。
判決書又は和解の内容が記載された和解調書に基づき,強制執行を申し立てることができます(少額訴訟の判決や和解調書等については,判決等をした簡易裁判所においても金銭債権(給料,預金等)に対する強制執行(少額訴訟債権執行)を申し立てることができます。)。
少額訴訟判決に対する不服申立ては,異議の申立てに限られます(控訴はできません。)。

民事訴訟のうち,60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。即時解決を目指すため,証拠書類や証人は,審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。法廷では,基本的には,裁判官と共に丸いテーブル(ラウンドテーブル)に着席する形式で,審理が進められます。

(引用)裁判所ホームページ

つまり、お金に関するトラブルで請求額が60万円以下で、1回の裁判で終了できそうな内容に限り少額訴訟はできるということです。

少額訴訟が使えないケース

少額訴訟が使えないケースというのもあり、民事訴訟法という法律の中で定められています。

(通常の手続への移行)
第三百七十三条
 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
 訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。
 次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。
  第三百六十八条第一項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき。
  第三百六十八条第三項の規定によってすべき届出を相当の期間を定めて命じた場合において、その届出がないとき
  公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないとき
  少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認めるとき
 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
 訴訟が通常の手続に移行したときは、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。

(少額訴訟の要件等)
第三百六十八条 簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない
 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
 前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。

民事訴訟法(平成八年法律第百九号)
ぶたどん
ぶたどん

難しくてよくわからんよ・・。

簡単に整理すると、以下の条件に該当すると少額訴訟ができずに通常訴訟へ移行されます。

通常訴訟へ移行する場合
  1. 相手方(被告)が通常訴訟を希望した場合
  2. 金銭の請求ではない場合
  3. 請求する金額が60万円を超える場合
  4. 公示送達でないと期日に呼び出しができない場合(相手が住所不明な場合)
  5. 同一裁判所で年10回を超えて少額訴訟を実施する場合
  6. 少額訴訟を利用した回数の届出をしない場合
  7. 少額訴訟で裁判するのが相当でないと認める場合(事件内容が複雑、証人が多人数、鑑定や現場検証が必要など)

この中で注意しないといけないのが1~4です。

自分が少額訴訟でやりたくても相手が拒否したら通常訴訟へと移行されます。
また、滞納した入居者の追い出しなど金銭の請求以外では少額訴訟は使えず、金額も60万円以下と制限されています。
私が実施する際に特に気になったのが、公示送達(裁判所の掲示板に貼り出す方法)は使えない、つまり相手の住所が不明なときには利用できないということです。

私のケースでは相手の住所がわかっていたので、少額訴訟できましたが、夜逃げして行方不明のときには通常訴訟など、別の手段を検討しないとダメです。

少額訴訟をやってみた!実際の手順

やってみよう!

ここからは、少額訴訟の手順と、実際に自分がやった体験談を紹介します。

へそ太郎
へそ太郎

いよいよ始まるね

ぶたどん
ぶたどん

ちなみに書類は全部たろー(夫)が作って、私が印鑑を押しました。


なお、少額訴訟でいいのかもよくわからない、そもそも勝つ見込みがあるのかもわからないという方は、先に弁護士に方針のみ相談してみると良いです。

少額訴訟の案件だと請求額よりも弁護士費用の方が高くなりかねないので、無料弁護士相談を使うと便利です。

手順① 証拠書類を集める

まず、最初に裁判で使えそうな証拠書類を集めます。
例えば、私のケースでは、以下の証拠書類を使用しました。

  • 賃貸借契約書
  • 原状回復費に関する請求書(自分で作ったもの)
  • 明渡時の写真(原状回復の必要性に関する証拠)
  • 債務者とのLINE(スマホ画面をスクリーンショットしたもの。どれだけ連絡しても言い訳ばかりで一切払わないという証拠)
  • 賃貸借契約の解除通知書(滞納を繰り返していたという証拠)
  • 契約解約届出書(夜逃げ前の本人が記載した最後の書類)

裁判所へもどんな書類を準備すれば良いか聞いたところ、

書記官
書記官

自分で証拠になると思うものを提出してください。特にこれと言った決まりはありません。

とのことでした。
これは自分の主張を示す証拠になるかなと思うものを色々と集めてみましょう。

手順② 訴状を作成する

少額訴訟の様式は、裁判所のホームページにあります。


こちらを確認すると、いくつかの記載例も確認できます。
しかし、残念なことに裁判所のホームページにはPDFしかなく、ワードファイルがありません。

そのため、私は以下のホームページからワードファイルの様式をダウンロードして利用しましたが、実際にそのまま使えました(2021年12月時点)。
法律の大幅変更がない限りは変わるものではないので、裁判所の様式と見比べて利用してみてください。

記載内容は、裁判所のホームページの記載例を参考に書きました。

例えば、裁判所の金銭支払(一般)請求を見ると、以下の様式と記載例が掲載されています。
いくつか参考例があるので、一番近いと思う様式を参考に記載してみてください。

訴状(金銭支払(一般)請求)
訴状(金銭支払(一般)請求)
訴状(金銭支払(一般)請求)の記載例
訴状(金銭支払(一般)請求)の記載例

手順③ 陳述書を作成する

訴状と一緒に、自分の主張を説明するための『陳述書』という証拠書類を提出します。

日本の民事訴訟において用いられる陳述書とは、当事者から提出される証拠の一種であり、訴訟当事者や関係者の言い分などをまとめたものに、本人が署名押印をした書面をいう。 法律上特に陳述書について定めた規定はないが、人証を行う可能性の高い事件では、殆ど必ず両当事者及び証人予定者の陳述書が提出され、実務上定着している。

引用:ウィキペディア

裁判所に記載方法を確認しましたが、特に決まった様式はないようで、自分の主張が相手に理解できるように記載すれば良いようです。

私の場合には、ワードで一から作成し、以下のように記載しました。

  • 時系列順に記載
  • 陳述書を読めば事件の全てがわかるように丁寧に記載
  • 他の証拠書類と陳述書を紐づけ(陳述書の中で、他の証拠書類を引用)

手順④ 管轄を確認する

裁判をしようと思ったとき、どこの裁判所でもできるわけではありません。
どこの裁判所を利用できるのかは事件によって異なり、これを裁判所の管轄といいます

間違った裁判所に提出しても、事件を移送されるので手続き上問題はありませんが、移送されると余計な時間もかかるので、最初に裁判所へ電話で確認してから提出しましょう。

ちなみに私の場合は電話で事前確認したにも関わらず、管轄違いで失敗しました

管轄に関する詳しい話はこちらの記事に書いてありますので、参考にしてください。

手順⑤ 収入印紙と切手を購入する

請求内容に応じた手数料として収入印紙、そして郵便切手が必要です。

必要な金額は内容によって異なるため、提出前に裁判所へいくら準備すれば良いのか確認しましょう。

収入印紙については最高裁判所のホームページに必要額が記載されて全国統一ですが、郵便切手は裁判所によって異なるので、必ず確認しましょう。
500円が何枚、100円が何枚・・・と細かく指定されます。
東京都の場合は、5,830円のようですが、私が提出した裁判所では6,000円でした。

(参考)最高裁判所:手数料

手順⑥ 訴状を提出する

訴状の正本及び副本を準備して裁判所へ提出します。

少額訴訟では、正本1通と被告の人数分の副本が必要になります(全て提出してしまうので、自分の分も合わせて準備しましょう)。
正本とは裁判所に提出するもので、副本とは相手方に送付するもので、正本と同一のものです。
いずれも記名押印が必要です。

必要枚数分だけ訴状と証拠書類を一式準備し、収入印紙と郵便切手も揃えたら裁判所へ提出しましょう。
ちなみに、法人のときには、法人登記事項全部証明書(履歴事項証明書)も必要です。

裁判所へは郵送でも直接持ち込みでも対応は可能ですが、直接持込するとその場で記載内容のチェックをしてもらえ、誤りがあればその場で訂正印で修正ができます。
自信がないときには直接持込の方が良いかもしれません。

【裁判所で書記官から聞いた話】
記載内容を間違えたら、全て作り直して提出するものかと思いましたが、訂正印でその場で直すのが一般的のようです。
書類の要件を満たしていないときには後から差し替えもできるので、完璧を求めすぎずに作ったらまずは裁判所へ持ち込んで相談してみると良いです。
提出前に書記官に内容を確認してもらい、その場で修正して正式に提出といった流れになります。

手順⑦ 裁判の日について連絡を受け、日程を調整する

訴状を提出してから1週間後に裁判所から電話が来ました。

書記官
書記官

事件番号 令和○年(少コ)第○○号の事件について、裁判の日は○月△日の13時半からでよろしいでしょうか。問題なければ相手方(被告)へ送達を行います。

ぶたどん
ぶたどん

大丈夫です。よろしくお願いします。

もし都合が悪ければこの段階で調整が可能です。
ちなみに、ここで決めた日程で必ずしも裁判するわけではなく、相手が訴状を受け取ったかどうかで変わる可能性もあります。

私のケースでは、相手が受け取らない可能性もあり、『付郵便送達』という手続きを行う可能性もあったので、若干ゆとりある期日で設定されたようです。

手順⑧ 裁判日の確定

裁判所と日程調整をしてから2週間後、裁判所へ電話しました。

ぶたどん
ぶたどん

事件番号 令和○年(少コ)第○○号の事件について、相手方(被告)は受け取りましたでしょうか。

書記官
書記官

ちゃんと受け取ったみたいです。『期日請書兼受領書』をFAXするので、そちらに記名・押印してFAXで返送をお願いします。

こんな書類をもらい、FAXで返送し、裁判の日程が確定しました。

手順⑨ 裁判へ行く

この後は裁判へ行きますが、私のケースでは、裁判に行かず終了してしまいました。

実際にどんな流れでやりとりするのか体験談を紹介できませんので、代わりに参考図書をご紹介しておきます。

こちらの本には、裁判の進行の例がいくつか記載されているので参考になります。
私はこちらの本で予習して準備していましたが、結局利用せずに終了しました。

へそ太郎
へそ太郎

え??どういうこと??

ぶたどん
ぶたどん

私も突然のことで、ビックリしました。

裁判せずに勝訴!?

私のケースでは、裁判日の1週間前に実質勝訴のような形で終了しました。

特殊な例かもしれませんが、何があったのか詳しくご紹介します。

被告から答弁書が届く

裁判の日程が確定してから10日後、裁判所からFAXが届きました。

相手方(被告)の答弁書で、相手方の主張が記載されているものです。
中身を見ると、
 『訴訟の請求の原因に書かれた事実について認めます。』
 『1万円ずつの分割払いを希望します』
と記載されています。

ぶたどん
ぶたどん

ふむふむ。全てを認めてくれたんだね。だとすると裁判当日は何をするんだろう。よくわからないけど、まぁいいか。

これをもらってどうしたらいいのかもわからず、裁判の日を待つことにしました。

調停に代わる決定の提案!

裁判まであと1週間となったある日、突然裁判所から電話が来ました。

書記官
書記官

相手方(被告)から内容を認めるという答弁書が来ているので、裁判はせずに「調停に代わる決定」という手続きにしようかと思いますが、いかがですか?勝訴としても相手が一括で払うことは期待できませんし、判決と同じ効力のあるものなので、もし払わなければ「調停に代わる決定」を債務名義として強制執行もできるようになります

ぶたどん
ぶたどん

ん??何を言っているのでしょうか??

調停に代わる決定とは?

調停に代わる決定とは、裁判所のホームページに以下のように記載されています。

調停では,お互いの意見が折り合わず,話合いの見込みがない場合には,手続を打ち切ります。また,話合いの見込みがない場合に,裁判所が適切と思われる解決案を示すこともあります。これを「調停に代わる決定」といいます。この決定は,お互いが納得すれば調停が成立したのと同じ効果がありますが,どちらかが2週間以内に異議を申し立てると,効力を失います。その場合には,訴訟を起こすことができます。

裁判所:裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A

簡単にいうと、『裁判所が解決内容を決定する』という手続きです。

こちらは、民事調停法という法律で定められた手続きで、民事調停法では以下のように記載されています。

(調停に代わる決定)
第十七条 裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる

(異議の申立て)
第十八条 前条の決定に対しては、当事者又は利害関係人は、異議の申立てをすることができる。その期間は、当事者が決定の告知を受けた日から二週間とする
 裁判所は、前項の規定による異議の申立てが不適法であると認めるときは、これを却下しなければならない。
 前項の規定により異議の申立てを却下する裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。
 適法な異議の申立てがあったときは、前条の決定は、その効力を失う。
 第一項の期間内に異議の申立てがないときは、前条の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)
ぶたどん
ぶたどん

わからないことがわかってきたよ・・。

簡単に要点を整理すると、

  • 「調停に代わる決定」とは、裁判所の職権で、決定をするもの(裁判所に行かなくてOK)
  • 決定の告知から2週間以内なら異議の申立が可能で、それ以降は裁判上の和解と同じ効力
  • 和解と同様に、相手がそれに従わなかったら強制執行もできる

といったものです。

裁判の判決との違い

今回の裁判では、以下のものを要求しました。

裁判で請求した内容
  • 原状回復費の支払い
  • 損害遅延金の支払い(金利14.6%)
  • 訴訟費用は被告の負担

実際に調停に代わる決定で提案された内容は、

調停に代わる決定の裁判所案(当初)
  • 原状回復費の支払い(分割払い
  • 訴訟費用は各自の負担
  • 2回分の金額を滞納したら、一括で支払い

当初、損害遅延金はなしといった内容でしたが、書記官へ相談し、裁判官へ交渉してもらった結果、こちらの希望が通りました。

調停に代わる決定(確定したもの)
  • 原状回復費の支払い(分割払い)
  • 損害遅延金の支払い(金利14.6%、決定の日までの分)
  • 訴訟費用は各自の負担
  • 2回分の金額を滞納したら、決定の日以降の損害遅延金を加算し、一括で支払い

当初の請求内容と異なるのは、分割払いになったことと、訴訟費用が各自負担になったことでした。

少額訴訟だと分割払いになるケースが多いようで、実際に一括となっても払えるはずがないので想定通りの内容でした。
また、訴訟費用(1万円弱)についても和解になると各自負担なので、そこも想定内でした。
一応裁判所とも交渉してみましたが、調停に代わる決定で訴訟費用を被告負担にしたケースは見たことがないとのことで、損害遅延金が入るならいいかなと無理せず諦めました。

もしそのまま裁判して勝訴となれば訴訟費用(1万円弱)も追加請求できますが、訴訟関連の本を見ていると、勝訴として一方的な勝ちになるよりも、相手方の意見も通った和解の方が支払ってもらえる確率が高いとのことで、裁判せずに一番望んだ形で終了となりました。

ちなみに、訴訟費用の請求にも別途申立をするなど、地味に面倒です。

調停に代わる決定が届く!

裁判所から電話相談があった翌日、調停に代わる決定がなされました。
封筒には特別送達と記載され、以下のような書類が届きました。


裁判所は実際に動き始めると行動がかなり早いです。
これで翌週にあった裁判はやらないこととなりました。

実際に支払ってもらえるかどうかはこれからなので、進捗はまた別の記事で紹介したいと思います。

実際に少額訴訟手続きをやってみた注意点

いくら調べてみてもやってみたいとわからないことは色々とありました。
そこで、いくつか実際にやってみてわかったことを紹介します。

相手が訴状を受け取らないときの対応(付郵便送達)

裁判は、原告(自分)が裁判所へ訴状を提出し、裁判所が被告(相手)に対して、その訴状を送達(相手に送り届けること)して開始されます。

原則的な送達方法は、交付送達という方法で、直接相手に手渡しをしますが、送達物を受け取らないと裁判所に戻ってきてしまい、いつになっても裁判が始められないといった事態が生じます。

相手が受け取らないといった状態を回避するため、交付送達以外に、①不郵便送達②公示送達といった方法があります。
ただし、少額訴訟では公示送達は利用できません

①不郵便送達

付郵便送達とは、書留郵便で名宛人に発送し、発送したときに送達が完了したとみなす方法です。
不郵便送達であれば、名宛人が実際に受け取るか受け取らないかは無関係に、送達が完了することになります。

もし相手の居場所が特定できていて、受け取らないといったケースで有効です。

付郵便送達を行うには、送達先に名宛人が実際に所在していることを調査して、裁判所にこれを書面で報告の上、付郵便送達の方法によることを申し出る必要があります。

裁判所に提出する書類のサンプルは裁判所のホームページにあります。

(参考)裁判所ホームページ:不郵便送達の上申書・調査報告書

私のケースでは、相手の住所が特定できていて、前回請求書を書留で送った際にも受け取らなかったため、最初からこちらを利用するつもりで、訴状と一緒に提出してみました。

しかし、裁判所の書記官から

書記官
書記官

まずは交付送達を行います。交付送達で相手が受け取らなかったら裁判所から電話するので、そのときに急いで不郵便送達の調査を行ってください。2週間で受け取ったかどうか結果は出るので、2週間後に裁判所へ電話してください。

とのことで、最初に不郵便送達の上申書・調査報告書を提出しても無駄になります(実際に無駄になりました)。

2週間後に裁判所へ電話したら、

書記官
書記官

交付送達で受け取ったみたいなので、予定通りの日程で訴訟行います。調査は不要です。

私が出した書留郵便は一切受け取ってくれませんでしたが、裁判所からの手紙は受け取ってくれたようです。

②公示送達

公示送達とは、裁判所書記官が送達物を保管し、名宛人が出頭すれば書類を交付する旨の書面を裁判所に設置されている掲示板に掲示し、掲示から2週間経過したときに送達の効力が生じる送達方法です。

裁判所へ実際に行くと掲示板にたくさんの紙が貼られているので、実例を確認できます。

公示送達は、相手の住所がわからない場合にも裁判ができる送達方法ですが、相手方の所在地不明な状態では少額訴訟は実施できません

相手の住所がわかっているときは少額訴訟で、それ以外は通常訴訟になってしまいます。

記載方法等わからないことがあるときは

裁判をするときは通常弁護士へ相談しますが、少額訴訟などの少額債権で弁護士を利用すると、弁護士費用だけで逆に損をしてしまいます。

もし不明な点があれば裁判所へ電話すると、初歩的な事から親切に教えてくれます。

私もわからないことがあって問い合わせると、

書記官
書記官

詳細は弁護士に相談してみてください。

と言われましたが、

ぶたどん
ぶたどん

弁護士に頼むほどのお金がないんです。しかも裁判自体で少額なので、頼んだら赤字になっちゃいます。

というと、細かい話まで手取り足取りレクチャーしてくれます。

もし悩むことがあれば裁判所へ電話してみましょう。

まとめ

本記事では、少額訴訟の手順と、実際にやってみた体験談を紹介しました。

要点
  • 少額訴訟とは、金銭債権が60万円以下で、紛争の内容が複雑でなく証拠の書類や証人がすぐに準備できる場合で、原則1日で判決が言い渡される訴訟手続きのことです。
  • 少額訴訟の訴状は、裁判所のホームページで取得でき、記載例も準備されているので弁護士を利用せずとも比較的簡単に準備ができます。
  • 退去費用などで入居者が支払わない場合などで有効で、判決後に被告が支払わなかったときには強制執行もできます。
  • ただし、被告が通常の訴訟手続きへの移行を希望したときには、少額訴訟から通常訴訟へ移行し、余計に手間が増える可能性はあります。
  • 訴訟期日よりも前に、相手(被告)が請求内容を認めた場合には、『調停に代わる決定』という手続きにより、裁判を実施せずに解決するケースもあります(私のケースは、これで終了しました)。

少額訴訟は、誰でもできるように準備されているので、法律の知識が全然ない状態でも必要書類の準備は簡単にできました。

証拠書類として何を準備するのか、陳述書に何を書くのかで悩むくらいで、その他は記載例に従って淡々と進められます。
もし記載方法で分からないときにも、裁判所へ問い合わせれば丁寧に教えてもらえ、少額訴訟に関する本もたくさんあるので、真似しながらやれば難易度は低いと思います。

もしなかなかお金を払ってもらえないときには、思い切って訴訟してみるとあっさり解決できるかもしれません。

少額訴訟をやったのに、裁判せずに終了してしまったので、あまり参考にならないかもしれませんが、少しでもお役に立てれば幸いです。


弁護士への無料相談ツールは、以下へまとめました。

また、少額訴訟と同時に行った債権仮差押の手順と体験談はこちらです。