【少額短期保険募集人の全て】概要から試験体験談・代理店契約まで

少額短期保険募集人

少額短期保険募集人」という資格をご存知でしょうか。
保険業界ではよく知られていますが、不動産投資としてはまだまだ知名度の低い資格です。
実は少額短期保険募集人の資格は、不動産投資において大変役立ちます。
少額短期保険募集人の概要や試験、実際に私自身が受験した体験談について詳しくご紹介します。

目次

資格の概要

お金

少額短期保険募集人とは、契約期間が2年以内で保険金額が1,000万円以下の限られた保険商品を募集できる(代理店になれる)ようになる資格です。
不動産投資では賃貸用の火災保険などが該当するため、自分が代理店として保険の契約をすることができます。
少額短期保険商品を募集するには、少額短期保険募集人試験に合格し、財務局へ少額短期保険募集人登録をする必要があります。

少額短期保険募集人の取得方法

少額短期保険募集人の取得方法について詳細に見ていきましょう。

試験内容

  • 保険の基礎知識
  • 少額短期保険業
  • コンプライアンス
  • 保険商品の概要
  • 保険の周辺知識

試験方法

パソコンで試験を受ける

CBT多肢択一式50問60分
(パソコンでカチカチ選択する試験です)

受験資格

次の各号に掲げるすべての条件を満たす者。

  • 少額短期保険募集人として保険募集に従事しようとする者
  • 各少額短期保険業者(少額短期保険業者の登録を行う予定の者を含む。以下同様)が定める所定の研修を履修した者
  • 各少額短期保険業者が定める基準に該当する者
  • 保険業法および少額短期保険業者向けの監督指針に定める条件を満たす者または満たす予定である者

少額短期保険募集人として代理店業を行う予定で、各少額短期保険業者の研修を履修すればよいということです。
各少額短期保険業者が定める研修というのも会社によって様々で、実際に研修をやる会社もあれば、少額短期保険募集人研修機構のテキストを自分で勉強することが研修というところもあります。
自分が扱いたい商品のある少額短期保険業者に問い合わせをすれば、具体的な研修方法を教えてくれます。
(参考)少額短期保険業者一覧:日本少額短期保険協会

保険会社への連絡方法や研修の受講方法など、受験資格を得るための流れは以下の記事に詳細を記載しています。

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火災保険の代理店になる方法!必要な手続きの全て【自主管理向け】 賃貸用火災保険を取り扱える少額短期保険の代理店になる方法を紹介します。

開催時期

随時(年末年始を除く)
(パソコン教室等、全国いろんな場所で好きな時間に受験できます)

受験料

4,000円(税込)
 ※別途事務手数料200円(税別)もあります。

合格率

正式な合格率は公開されていませんが、宅建ファミリー共済を通して受験した方は2016年度で98.4%
(参考:一般財団法人ハートステーション
事前に勉強すればほぼ確実に合格できる難易度です。

おすすめ参考書

以下のHPからテキストと問題集を無料でダウンロードできます。
問題は少額短期保険募集人研修機構のテキストと問題集から出るので、他のものは一切必要ありません。
なお、問題集から多く問題が出ますが、問題集には載っていない問題も多く出るので、問題集と合わせてテキストをしっかり読むことも大事です。

少額短期保険募集人教育テキスト
少額短期保険募集人試験 受験対策問題集

不動産投資との関係

少額短期保険募集人が不動産投資にどのように関係するのか見ていきましょう。

資格がないとできないこと

少額短期保険商品を募集(自分で紹介して契約)するためには、少額短期保険募集人の資格取得が必要です。
少額短期保険募集人を取得すれば、賃貸用の火災保険の代理店として契約できます。

取得するメリット

メリット① 自分が代理店として火災保険に加入できる

不動産会社に賃貸借契約をお願いする場合には、保証会社や火災保険も合わせて契約してもらえますが、自分で賃貸借契約を締結する場合には入居者の火災保険も自分たちで手配しなければいけません。

入居者自身に火災保険の加入を任せるという方法もありますが、自己責任だと火災保険に加入してくれない方が多いです。
もし入居者の責任で何か損害が発生したときには入居者へ請求すればよいだけですが、入居者がお金がなく払ってくれなければ大家が立て替えるしかなく、ひどい場合には訴訟するか泣き寝入りになる可能性もあります。

投資家自身へのリスクを回避するためにも入居者には必ず火災保険に入ってもらうべきです。
自分が代理店になれば、賃貸借契約と同時に火災保険も契約できるので、確実に保険に入ってもらえます。
また、破損・汚損の補償のある保険に入っておけば、入居者が誤って破損させた箇所も入居者の保険で積極的に直せるので、現状回復費も抑えられます

メリット② 代理店手数料を稼げる

自分自身が代理店になるまで知りませんでしたが、少額短期保険の代理店手数料は高いです。
と言っても家賃に比べれば大変安く、入居者が保険の契約を更新してお金を払うたびに代理店にもお金が入ってくるので大切な収入源になり、不動産投資の利益アップに貢献してくれます!

取得するデメリット

自分自身で入居者と直接契約をしない人にとっては取得するメリットはありません。
また、資格の取得だけでは代理店にはなれず、定款の目的変更(30,000円)や代理店の登録申請(15,000円)に登録免許税が必要なので、若干の初期投資が必要です。

少額短期保険募集人を取得した方が良いのか

ジモティーなどを使って自分自身で客付け・契約締結までするという投資家・大家なら少額短期保険募集人の資格を取得し、代理店になるべきです。

私自身の経験ですが、保証会社の代理店になって自分で入居者を見つけていざ契約しようとなった段階で、火災保険が契約できないことに気が付き大変困りました。
しばらくは入居者自身で契約をお願いしていましたが、入りますと言いつつ、結局入っていないという方もいました。
そして、いくら入居者の責任だとしても、ない袖は振れぬとなります(実際にそうなって、最後は夜逃げされました)。
自分自身で募集する方は、保証会社と合わせて火災保険の代理店にもなっておきましょう。

不動産投資においての少額短期保険募集人取得のおススメ度は・・・

星5つ 星5

客付けまで自分でやる大家ならとるべき

少額短期保険募集人試験の体験談

まず、試験を受けるための流れとしては、

  1. ネットで予約
  2. 勉強
  3. 試験
  4. 即時合格発表

という感じで試験3日前にネットで予約して、そこから勉強を始めて受験しました。

勉強方法はテキスト( 少額短期保険募集人教育テキスト )をさらりと読み、問題集(200問ちょっと、 少額短期保険募集人試験 受験対策問題集 )を満点が取れるまで数回繰り返し行っただけで参考書などは購入していません。
能力にもよりますが、問題集を2-3回くらいやればほぼ覚えられるかと思います。
妻ブタドンも夫タローも問題集を完璧に覚えて自信満々で試験に挑みました

少額短期保険募集人の試験は随時開催で、会場もパソコン教室などいろんな場所で実施しているので、全く緊張するような雰囲気ではありません。

夫タローを道連れにして一緒に受けてきたのですが、自宅から車で数十分のパソコン教室で行い、受験者は私とタローの二人でした。

時間よりも少し早く会場に到着し、試験管の説明を受けたらすぐに試験開始できました。
開始時間は結構ルーズなようです。
試験はパソコンでクリックしていくだけなので、より一層緊張感が薄れます。
一応メモ紙とボールペンは用意されていましたが、メモをとっても持ち帰りは不可ですし、メモが必要な問題はなかったので使いませんでした。

試験問題は問題集で見たことのないものが多く出てちょっと焦りました
問題はほとんど〇×で50問しかないので15分もあれば終わるのですが、見直しをたっぷりしても約30分で終わりました。
結果は、もちろん二人とも合格です!

ホッとしたのですが、満点合格を目指していたのに数問間違えてしまい2人とも素直に喜べませんでしたね。
テキストでさらりと一回読んだだけの部分や、読み飛ばした場所からの出題があったので、どう悩んでも答えは出てこなかったので、満点が取れる気はしませんでした。
問題集を完璧にしても問題集では全く触れていなかった部分から出題されたのは想定外でした。
テキストにはほぼ載っていたので、しっかりと読むべきでしたね。

ごくたまーにテキストにすら載っていない問題も出てくるようです。
ちなみに問題は一人ひとり違っていました。

少額短期保険募集人は噂通り本当に簡単な試験なので数時間から数日の勉強で誰でも合格できるかと思います。
タローとブタドンはどちらも問題集は完璧な状態で挑んで88点と90点でしたので問題集を完璧に覚えれば余裕で合格できます。
ですが、テキストを読み込んで暗記しない限りは満点合格は難しそうです。

ネットの評判を見てノー勉強で受験すると受からない可能性もありますので、勉強は必須だと思います。
みなさまも少額短期保険募集人を受けるときは、油断せずに勉強しましょう!
問題集を完璧にすれば合格間違いなしです!

代理店契約までの流れ

少額短期保険の代理店になるには、資格の取得だけでなく、少額短期保険会社との契約、財務局への登録申請などの手続きが必要になります。
一見難しそうに見えますが、少額短期保険会社にて手厚くサポートしてくれるので、やることは超簡単です。
詳細な手順については、以下の記事にまとめましたので、参考にしてください。

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まとめ

本記事では、少額短期保険募集人について、概要から試験方法、実際の体験談、代理店契約までの実際手続きまでご紹介しました。

【要点】

  • 少額短期保険募集人は、もし自分で入居者を見つけて自分で契約するときには必ず持っておいた方が良い資格です。
  • 少額短期保険募人の試験は、公式テキストと問題集をやれば十分で、数日間の勉強で十分に合格点をとれます。
  • 一見煩雑で大変そうに思われますが、ほとんどの手続きは保険会社にてサポートしてくれるので、代理店契約も全く難しくありません。
  • ハイレベルな不動産投資家を目指すなら、ぜひ取得して損のない資格です。
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この記事を書いた人

大家歴7年目の夫婦(専業主婦の妻ぶたどんとサラリーマンの夫たろー)です!管理人の詳しいプロフィールはこちらです。

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