不動産投資をするなら宅建士は必要なのか?

宅建ウサギ

不動産投資を勉強しているとよく目にする「宅地建物取引士」ですが、不動産投資をする上で必須の資格なのでしょうか?
宅地建物取引士の概要や試験、不動産投資との関係についても詳しくご紹介します。

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資格の概要

宅地建物取引士」は通称、「宅建士」と言われ、毎年20万人前後の受験者数を誇る規模の国家資格です。
この「宅建士」になるための資格試験を「宅建試験」といいます。
宅建試験に合格すると宅建士として、不動産の売買や賃貸物件の契約をする際に、その土地や建物についてお客様に詳しい説明をすることができるようになります。
不動産業では必須の資格とも言われています。

宅地建物取引士の取得方法

気になる試験について詳細を見てみましょう。

試験内容

宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条)
試験の内容は、おおむね次のとおりです。(同第8条)

  1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
  2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
  3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
  4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
  5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
  6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
  7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。

★出典 不動産適正取引推進機構

試験方法

50問・四肢択一式(マークシート)による筆記試験です。

受験資格

年齢、性別、学歴等の制約はなく、誰でも受験できます。

開催時期

毎年1回、10月の第3日曜日

受験料

7,000円

合格率

宅建試験の合格率は平均して15%前後です。
ただし、全く勉強していない人も多数含まれているため、ちゃんと勉強すればそこまで難易度は高くありません。

実施年度申込者数(名)受験者数(名)合格者数(名)合格率
令和元年度276,019220,79737,48117.00%
平成30年度265,444213,99333,36015.60%
平成29年度258,511209,35432,64415.60%
平成28年度245,742198,46330,58915.40%
平成27年度243,199194,92630,02815.40%
平成26年度238,343192,02933,67017.50%
平成25年度234,586186,30428,47015.30%
平成24年度236,350191,16932,00016.70%
平成23年度231,596188,57230,39116.10%
平成22年度228,214186,54228,31115.20%

※平成26年度以前は宅地建物取引主任者試験

出典:資格の学校TAC

不動産投資との関係

資格がないとできないこと

宅建士のみができる独占業務としては以下の3つがあります。

  1. 重要事項説明書の説明
  2. 重要事項説明書への記入
  3. 重要事項説明書への記入

これらは全て宅建士でないとできません。
また、宅地建物取引業者(通称、宅建業)になるためには、5人に1人以上の割合で宅建士を雇用しなければなりません。
もし自分が宅建業を営もうとすると、自分で宅建士を取るか、誰か宅建士を雇わないといけなくなります。

取得するメリット

不動産投資で宅建士の資格がないとできないことは、実はほとんどありません。

個人間で取引する以外は、必ず宅建士の人にお世話になりますが、自分は買い手か売り手になるので宅建士の資格は必要ありません。

そのため、宅建士の資格単独で何も役に立ちませんが、もし宅建士の資格を使って、宅建業を始めるとなれば「不動産売却の反復継続」と「REINS(レインズ)の閲覧」の2つができるようになります。

不動産売却の反復継続

不動産投資で売買を繰り返し行う場合には、宅建業の免許を取得する必要があります。
もし違反すると、最も重い罰則として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(または両者の併科)となる可能性があります。

第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によつて第三条第一項の免許を受けた者
二 第十二条第一項の規定に違反した者
三 第十三条第一項の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者
四 第六十五条第二項又は第四項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者

出典:電子政府の総合窓口e-Gov「宅地建物取引業法 第七十九条」より

ただし、不動産投資は基本的にインカムゲインを狙うもので、キャピタルゲインだけを狙った「不動産売却の反復継続」はあまりおすすめするものではありません。

投資の出口戦略としては売買も考えることも必要ですが、これは宅建業者でなくてもできる通常の取引になります。

インカムゲインに期待する不動産投資であれば、宅建士はなくても特段困ることはありません。

REINS(レインズ)の閲覧

宅建業者しか閲覧できない不動産流通のネットワークシステム「レインズ」が見れるようになります。

ただし、こちらも現在ではレインズと同等の情報を扱う「不動産ジャパン」や「土地総合情報システム」を使えば、レインズがなくて困るということはありません。

取得するデメリット

宅建免許を持っていなければ、手練れの不動産投資家でも素人として法律に守ってもらえますが、宅建業の免許を取得すればその年数に関係なく、不動産のプロとみなされるので知識不足で騙されたりミス等しても誰も守ってくれません。

さらに、宅建免許のない一般の方に宅建業者が売主として売却する場合には、物件の引き渡しの日から最低2年間は契約不適合責任を負わなければいけません。
ここはよく考えた方がいい点ですが、あえて宅建はとらないという選択肢もありえます。

姫路のトランプと呼ばれる大川護郎さん(賃貸物件5,000室以上所有)も、「弱者でいたいから」という理由で宅建士をもっていません。
自分が宅建業者ではない弱者であれば、何かあったら告知義務違反で仲介業者を訴えることも可能であり、逆にその立場をリスクヘッジとして活用するというのも1つの考え方です。
大変役に立つ考え方なので、宅建士で悩まれている方は資格を取得する前に一読をおススメします。

不動産投資のために取得した方が良いのか

不動産投資で登場する様々な専門用語を知るために、宅建士の勉強をすることは有効です。
しかし、不動産投資をする上では、宅建士の資格がないとできないことは少なく、なくて困ることはほとんどありません
むしろプロになることがデメリットになる場面もあるため、知識としては十分に身につけつつも、資格はとらないというスタンスも十分にありです。
「不動産投資家なら必ず宅建士を取らなけれいけない」と固定観念を持っている方は、自分の投資方針をよく考慮して宅建士は必要か不必要かをよく検討してみましょう。

不動産投資においての宅建士取得のおススメ度は・・・

星4つ