禁煙アパートで隣人がタバコを吸っている時の対処法

禁煙のアパートだから選んだのに隣人がタバコを吸っていて臭い！という場合、どのように対処したらいいのでしょうか？
タバコの臭いは窓を閉めていても臭ってきたり、服に臭いが付いたりと、生活に直結しているので悩ましいですよね。

禁煙アパートを所有し自主管理する大家が、近隣のたばこ問題について対処法をご紹介します。

禁煙アパートとは

禁煙アパートとは賃貸契約書に明確に「禁煙」と記載されているアパートです。

禁煙と記載されていても室内禁煙、室内禁煙（共用部を含む）、敷地内禁煙、など禁煙の範囲は物件ごとに変わってきます。

さらには、部屋無いよって禁煙か喫煙可能かが違ってくるアパートもあります。

どうして禁煙の範囲が統一されていないのか

なぜ禁煙の範囲などが統一されていないのでしょうか？

それは…大家がそれぞれに決めているからです。
エ●ブルやミ●ミニなどの不動産仲介業者は、大家に禁煙なのか喫煙可能なのか確認して記載しているだけなので、統一されていないのです。

アパートなどはある程度古くなってくると室内をリフォームしますが、リフォームをして綺麗な部屋は「ヤニで汚されたくないからリフォーム後は禁煙にしよう！」とその部屋だけが禁煙になることもあるのです。
どこまでが禁煙なのかは大家や管理会社のさじ加減で決められているので、禁煙の範囲が統一されておらずわかりにくくなってしまっています。

そのため、自分が住んでいるアパートの禁煙の範囲は事前に確認しておくことが大切です。

禁煙アパートで隣人がタバコを吸っているときの対処法

隣人がタバコを吸っていて臭い！という時はまず、管理会社か大家へ報告しましょう！
隣人に直接忠告したり、手紙を出すという方法もありますが、トラブルになる危険性がありますのでおすすめしません。

管理会社や大家への報告の仕方

管理会社や大家へ報告するのもどのようにしたらいいのか悩んでしまいますよね。
賃貸契約時に必ず管理会社の連絡先を教えてもらえるので、管理会社の連絡先を確認し、電話かメールで連絡します。
直ぐに対応してもらいたい場合は電話がベターです。

このように

• アパート名・部屋番号
• 誰が吸っているのか
• いつ、どのように吸っていて困っているのか

をなるべく詳細に伝えましょう。
どのように対応してくれるのかまで聞けば、管理会社は動かざるを得なくなるのでおすすめです。

管理会社に言っても直らない場合は？

管理会社やに報告したのに何日経っても改善されない場合も多くあります。
その場合はどのようにしたらいいのでしょうか？

直接隣人に文句を言いに行く…のはやはりおすすめしません。
管理会社によっては動きが遅く、まだ対応していない場合もあるので、再度管理会社に報告しましょう。

管理会社が動いてくれない場合には、「このままの状態だと退去も考えています」と伝えるとさらに動いてくれる確率は上がります。
ですが、クレームの度に退去を匂わせると困ったクレーマー認定されてしまうので、ここぞという時に使うのが有効です。

改善が難しいパターン

管理会社に注意してもらっても改善が難しい場合も多くあります。

改善が難しい例①　共用部は禁煙ではない

アパートによっては室内禁煙でも、廊下などの共用部やベランダは喫煙可能の場合もあります。
その場合は、ベランダでタバコを吸っても契約違反にならないため、管理会社はタバコを吸わないように強制はできません。
「気を付けてください」「配慮をお願いします」「何時から何時の間は控えてください」程度しか言えないのです。

改善が難しい例②　物件全体が禁煙ではない

一部の部屋のみが室内禁煙の場合は、タバコを吸っている入居者の部屋が禁煙でなければ契約違反にならないため、管理会社は強く注意できません。

タバコで強制退去は難しい

室内・共用部禁煙や敷地内禁煙の場合にタバコを吸っていれば契約違反となり、契約解除（強制退去）をすることができるのはないかと思いますよね？

ですが、法律上賃借人（入居者）の方が立場が強いため、滞納を何カ月もしたり、迷惑行為を繰り返すなど、「借主と貸主の信頼関係が破壊されている」状態でなければ強制退去はできません。
契約違反でタバコを吸っていてもしっかりと家賃を払っているのならば、信頼関係が破壊されているとまでは言えないのが実情です。

その他の方法は？

管理会社や大家へ報告する以外には方法はないのでしょうか？
考えられる方法を紹介いたします。

その他の方法①　手紙を出す

タバコを吸う部屋の住人に直接手紙を出す方法もありますが、おすすめはしません。
匿名ならいいのでは？と思うかもしれませんが、匿名のクレームの手紙をもらった側はいい気はしませんし、怒りから手紙の出し主を特定しようとするかもしれません。
トラブル回避のためにもタバコを吸っている本人に手紙は出さない方がよいでしょう。

手紙を出すのであれば、管理会社か大家へ出しましょう！

その他の方法②　直接注意する

最も避けたい方法です。
逆上して暴力を振るわれる可能性も大いにありますので、直接コンタクトはとらないようにしましょう。

直接話したいのであれば、管理会社や大家への直談判の方が効果的です。

大家の裏話

私の所有している物件は全て禁煙ですが、やはりタバコを吸っている方はいます。
「敷地内禁煙なのに喫煙しているのは契約違反！退去しろ！」
と言えたらいいのですが、現実は大家よりも入居者の方が立場が強いため言えませんし、退去してもらっても収入が減ってしまうためクレームがない限りは注意はしません。

タバコを吸って部屋をヤニで汚すと退去時の原状回復費は数十万となり、痛い思いをするのはタバコを吸っていた本人です。

（設備が黄ばんでしまったり、原状回復費で回収できないものもあるので大家も痛いのですが）

大家にとって一番の痛手は退去なので、「タバコが改善しないのなら退去も考えている」と言われると善良な入居者様に残ってほしいのでタバコを吸う入居者にはきつく注意をしています。

実際にあったタバコのトラブル体験談

敷地内禁煙の単身用アパートに住む入居者Ｓさんからのクレームでした。

私もSさんの隣のKさんの部屋からタバコの臭いがする気がしていたので、直接連絡をしました。

結局Kさんはタバコを吸っていて、クレームを付けられたことに怒って退去していきました。
リフォームしたばかりの部屋で入居期間も数カ月だったので、クロス（壁紙）全張替え費用とその他の消臭費用の十数万円を請求させていただきました。

タバコを吸っていたKさんがすぐに出て行ったため、タバコ問題はスムーズに解決しましたが、出ていかずに注意も聞いてくれない場合は長期戦になってしまうのだと思います。

まとめ

この記事では、禁煙のアパートで隣人がたばこを吸っていた場合の対処方法を紹介しました。
要点は以下のとおりです。

禁煙アパートでのタバコ問題はよくあるトラブルですが、対処法は管理会社や大家に報告するしか手段がないので、上手く相手の感情に訴えかけて、いかに動いてもらうかが重要です。