こんにちは。大家のぶたどんです。
ペット不可を可にする交渉を教えます。
ペット不可となっている賃貸物件に住んでいても、どうしてもペットを飼いたいと思うことがあります。
毎日お魚食べてるけど、水槽でお魚も飼いたいな
ペット不可の賃貸物件でペットを許可してもらうことはできるのでしょうか。
本記事では、ペットを許可してもらうための交渉のコツや、入居者からのペット交渉を許可した例とお断りした例を紹介します。
ペット不可物件をペット可にできるの?
そもそもペット不可って書いてあるのに、ペット飼えるの?
交渉は可能!ただし、難易度は高め
現在入居者募集中の物件で『ペット可』となっていない物件でも交渉によってはペットを飼えるようになります。
また、既に『ペット不可』で賃貸借契約を締結していて住んでいる場合でも、交渉によっては『ペット可』に変更できます。
ただし、変更はできても、そう簡単には許可はしてもらえません。
大家さんがペットを許可しない理由
大家さんがペットを許可しない理由は、以下の3つです。
①ペットによる原状回復費の負担
室内でペットを飼育すると、入居者だけでなく、大家の原状回復費の負担も高くなります。
ペットが室内を破損させた場合には原則入居者(借主)の負担となりますが、住んでいた期間によって入居者(借主)の負担は減少し、逆に大家(貸主)の負担額が増加します。
そのため、「退去時に自分が負担するからいいでしょ」という簡単なものではありません。
退去後の大家さんの負担って大きいの?
どれだけ住んでいたかにもよりますが、ボロボロにされると数十万円かかります・・。
②近隣トラブルの防止
入居者がペットを飼育すると、その飼育方法によっては『鳴き声による騒音』、『糞や尿などの異臭』、『飼育方法への苦情』など、大家さんへたくさんの苦情が寄せられます。
入居者同士で問題になることや、近所の住民とトラブルになることもあり、精神的に参ってしまいます。
③アレルギー
ペットの飼育によって、アレルギーを起こす方もいらっしゃいます。
「自分の部屋の中だけだからいいでしょ」と思う方もいますが、共用部にも毛が舞ってしまい、ペット禁止で入居したはずなのに、それが原因でアレルギーを起こす方もいらっしゃいます。
そのため、他の入居者や、退去した後に新たに入居される方のことも考え、ペットは許可しにくいのです。
無断でペットを飼ったらどうなるの?
もし無断で飼育した場合、大家さんや管理会社との話し合いの結果によっては、ペットを手放すか、自分が出ていくのかという選択肢になります。
ペット禁止の賃貸物件で、ペットを飼育すると契約違反・用法違反となります。
そして、大家さんから状況を改善するよう警告を受けても、それを無視すれば『大家(賃貸人)と入居者(賃借人)の信頼関係の破壊』と判断され、賃貸借契約は解除されます。
無断で飼育はせずに、大家さんや管理会社へまずは相談しましょう。
ペットを飼うときは事前に相談しようね!
ペットを可にしてもらう交渉のコツ
ペットの飼育に関する交渉は、その物件や大家さんによっては絶対に無理な場合もあります。
大事なことはペット可に変更してもらいやすい物件を選び、相談をすることです。
どういった物件であれば変更してもらいやすいのか、また大家さんにはどう当たればいいのか紹介します。
コツ① 比較的古い物件が良い
新築や築浅の人気物件は、高確率でペット交渉に失敗します。
新築を建てるためには数千万円~数億円というお金がかかりますが、大家さんは銀行からお金を借りて20年~30年かけて返済していきます。
その長期に渡る借金があるため、できる修繕が発生しないようきれいに物件を保ちたいと考えています。
そのため、当初建設時からペットを受け入れることを考慮していない限りは、基本的に交渉は無理だと考えてください。
もしペットの交渉をするのであれば、大前提として、ある程度築年数の経過した物件で行うと良いです。
築20年~30年を経過することには、建物全体の大規模修繕が必要となり、ペット飼育に有無にかかわらず、室内も大幅なリフォームが必要となります。
もしリフォームをしていない部屋であれば入居者は決まりづらく、空室も多くなってきます。
空室も増えてくると大家さんは「そろそろ条件緩和しないと難しいのかな」と弱気になるので、交渉に応じてもらいやすくなります。
新築で交渉したらダメ?
大家さんによっては許可してくれる方もいるので、ダメもとで当たってみると良いです。
コツ② アパートよりも戸建て
交渉の難易度でいえば、圧倒的に戸建ての方が簡単です。
なぜかというと、戸建てであればその1戸だけで済みますが、アパートやマンションで1部屋だけペットを許可したら、残りの全部屋も許可しなければならず、大家さんとしては影響が甚大です。
また、アパートに住んでいる人の中にはペットでアレルギーを起こす方もいる場合があり、「ペット禁止だから入居した」という方がいれば、大家が勝手に条件を変更したことで損害を受け、その引越し費用や迷惑料まで請求されかねません。
そのため、よっぽど空室が多いか、テキトーな大家さんでない限りは、基本的に共同住宅(アパート、マンション等)での交渉は難しいと考えてください。
コツ③ 家賃・敷金上乗せ
大家がペットをためらう一番の理由は、原状回復費の負担です。
そのため、少しでも大家さんが受け入れやすくするためには、『家賃の値上げ』と『敷金の積み増し』を提案することです。
入居者にとっては、
現在の条件のままペットのみ許可してほしい!
と考えますが、大家さん側からすると、
ペット許可したら、原状回復費が高くなるだけだしなぁ
と、大家さんにとっては何のメリットもなく、むしろデメリットだけです。
何度も言いますが、家賃そのままでペットを許可したら、大家さんには原状回復費が高くなるという損害しかありません。
そんな大家さんの気持ちを考え、
ペットを許可してください。その分の家賃値上げは受け入れます。敷金も追加で支払います
と提案されれば、まぁそれならいいかなと受け入れやすくなります。
コツ④ 感情へ訴える
大家さんへペットの飼育を相談する際に、ただペットを飼いたいというよりも、
保護犬を飼いたいんです。ダメでしょうか?
と言われると、心が揺らいでしまう方もいます。
犬好きの方であれば、保護犬と聞くと、なんて優しい人なんだと勝手に解釈し、その犬を助けなければいけないという使命感で許可してしまう場合があります。
私がそうです!即答で許可しちゃいました!
感情よりもゼニ勘定で判断する大家さんも多いので、大家さん次第ですが・・。
ペット交渉の体験談
私が大家をやっている中で実際に受けたペット交渉の体験談を紹介します。
入居者から見た成功例と失敗例があるので、参考にしてみてください。
入居前のペット交渉
成功例① 不動産屋からの強い後押し
ペットは特段許可していないリノベ戸建ての入居前のペット交渉の例です。
懇意にしている不動産屋さんから入居者の紹介があり、内見したところ大変気に入っているとのことでしたが、『小型犬を飼っている』とのことで条件が合いませんでした。
ダメかなーと思っていましたが、不動産屋さんから
弊社の工事を請けてくれる工事業者さんで、新婚のご夫婦で家を探しているんです。行儀のよい小型犬なので室内を荒らすこともほとんどありませんよ
と、条件緩和の交渉があり、悩んだ結果、飼育を許可することにしました。
その入居者の退去後室内を確認しましたが、確かにペットによる破損は一切なく、犬の香りが残ったくらいでした。
懇意にしている不動産屋さんからの紹介だと弱いです・・。
成功例② 契約前の暴露
ペット可(ただし、小型犬のみ)としているリノベ戸建ての契約前交渉の例です。
ペットを飼育したいというシングルマザーの方で、保証会社の審査も通過し、あとは契約だけとなったタイミングで突然状況が変わりました。
契約書作成で細かく確認したら、小型犬と猫2匹でした。
・・・・大丈夫ですか?
一度入居者が決まったと喜んだ後で、突然の条件変更で正直困りました。
再度募集し直すのも嫌だったので、『家賃の若干値上げ』で契約しました。
イエスセット話法を使った高等テクニックだったのか、不動産屋のチョンボだったのかわかりませんが、一度Yesというと、続けてYesといいたくなるのが人間の習性です。
入居中のペット交渉
成功例③ 保護犬を飼いたい
ペット不可で契約していたリノベ戸建ての入居中ペット交渉の例です。
若いファミリーで住んでいる方でしたが、ある日、突然電話で連絡がありました。
室内ペット禁止でしたが、実は保護犬を飼いたいんです。
外なら大丈夫でしょうか?
(犬の保護ですって!!なんて優しい夫婦なんだ!!)
もちろんOKです!雨に濡れたらかわいそうなので、室内で飼ってあげてください!
築年数の経過したリノベ戸建てだったことに加え、犬を愛していた私だったので、保護犬と聞いて即答で許可してしましました(夫には呆れられました)。
犬好きで感情が揺らぎ、戸建てという許可しやすい物件だったことも重なり、入居者として家賃を値上げすることなくペット可になった大成功の交渉例です。
成功例④ 知人の大家さん 優しさで許可
私自身ではなく、知り合いの大家さんの所有するアパートでの入居中ペット交渉の例です。
もともとペットが禁止されたアパートでしたが、ある入居者がこっそり犬を飼い始めました。
大家さんは犬を飼育していることにすぐに気が付きましたが、大変寛容な方であったため、そのまま許可してしまいました。
すると、別の入居者から「私も飼っていいですか?」と問い合わせがあり、1人許可しちゃったし仕方ないかと思い、許可しました。
最終的にはアパート全部屋がペット可となってしまいました。
最初の人はどうかと思うけど、他の入居者は儲けものだね
失敗例① 保護猫
ペットを不可としていたアパートの入居中交渉の例です。
長年住んでいる入居者から、
保護猫を飼いたいんですが、ダメですか?
と問い合わせがありました。
私としてはなんとか許可したいという思いもありましたが、上記の例のように1部屋許可すると全部屋許可になるという大問題があり、申し訳ありませんでしたが、お断りしました(入居者としては交渉失敗しました)。
アパートでペットを許可するのは、よっぽど寛容な方でない限りは難しいと思います。
(ハムスターなどの小動物であれば、こっそり飼ってくださいと許可したと思います)
ペット交渉に関する口コミ、体験談
最後に、ペット交渉に挑む方々の話をご紹介します。
みんな頑張って交渉しているんだね
ペット交渉に挑む!
ペットを飼えるかどうかは考えていてもわかりません。
もし飼いたいと思ったら、悩むよりもまずは交渉してみましょう。
ペット交渉に成功!
里親さん候補が現れたけど
— ずー@猫専用垢 (@INd3oVDiWM0LY4W) March 21, 2019
手放し難くなったパッパは
大家さんに交渉🙄笑
(実家の賃貸は本来ペット不可)
なんと敷金1ヵ月分払うなら
飼ってOKとのこと!笑
よかったね、トラちゃんとパッパ💓
すっかり猫に魅了された両親です#仲良し #猫のいる暮らし #メロメロ pic.twitter.com/6ZarfhAgBl
賃貸条件がペット禁止だった我が家ですが大家さんに交渉して玄関たたきまでOKにしてもらったの。だけど玄関の板の間までOKにしちゃってるし、なんなら昨日から居間にもこさせてしまってる…😅
— いるみ (@tataminw) October 17, 2021
賃貸ですが、家主さんに何度か交渉しペット可能にしてもらえました✨
— きこ (@QrwJTGpyrAFlX9x) August 22, 2019
諦めない事つて大事ですよね⤴️
当初ペット禁止だったとしても、物件や大家さんによっては何度か交渉することで成功することもあります。
どうしても今の家で飼いたいなら、一度で諦めずに何度か交渉してみましょう。
新築戸建てでペット交渉に成功!
ワンちゃん飼うために引っ越し先検討してるけど、田舎過ぎて物件がなく。
— 森田一寛@TRIPORT株式会社 COO (@KzhrMrtKM) January 16, 2022
そんな中、新築戸建の賃貸出てきて交渉してみたら、ペット不可だったのにオーナーさんが「飼っていいよ」と言ってくれたうえ「なにかリクエストあれば家の設計変えるよ。家庭菜園とかする?庭作ろうか?」って…。
温かすぎる…
難易度の高い新築でも、ペット交渉が成功する例もあります。
大家さん次第なので、まずは交渉してみましょう!
ペット交渉に失敗!
ペット可賃貸(猫は不可)とか言われたので、クロスをフルリフォーム出来る敷金を積み増しても良いと交渉しても尚、猫はダメだと、条件緩和ならず。
— こいもCAT (@koimo77) May 9, 2021
猫に優しくない世界辛い。
ペット飼えないか交渉してみたけど不可と言われた😭😭
— ひろ@1人目妊活 (@hhiirrroo_) February 24, 2021
賃貸の一軒家なのに不可なんて😭😭😭
引越しするしかねえ😭笑
条件緩和しやすい戸建てや、敷金の積み増しを提案したとしても、大家さんによっては無理な場合もあります。
成功するかどうかは、どんな物件か、どんな大家さんか等、交渉テクニックよりも運の要素が大きいので、別の物件を探すのも早いです。
まとめ
本記事では、賃貸物件でペットの飼育を許可してもらうための交渉について解説しました。
要点は以下のとおりです。
万が一、無断でペットを飼育しバレた場合の影響は、以下の記事を参考にしてください。