大家と賃貸物件を直接契約する方法!探し方とトラブル回避について

直接契約
ぶたどん
ぶたどん

こんにちは。大家のぶたどんです。
直接契約について説明します。

賃貸物件の契約では、一般的には不動産会社の仲介による契約を行いますが、大家さんと入居者さんで直接契約はできるのでしょうか?

もし直接契約できるとしたら、何か問題点はあるのでしょうか?

アデちゃん
アデちゃん

なんとなく直接契約ってお得そうな気がするねぇ

そこで本記事では、大家さんと入居者さんとの直接契約について解説します。

この記事でわかること
  • 大家さんと直接契約はできるのか
  • 直接契約のメリット、デメリット
  • 直接契約のデメリットを解消する方法
  • どうやって直接契約できる物件を探すのか
目次

大家と直接契約はできるのか?

直接契約
アデちゃん
アデちゃん

そもそも直接契約ってできるものなの?

建物の管理委託に関する契約内容に問題がなく、大家さんも直接契約の意思があれば大家さんと入居者さんとの間で直接契約は可能です

よくある誤解について解説します。

建物の管理委託と直接契約は別物

賃貸用のマンションやアパートへ行くと、よく以下のような看板を目にします。

引用:https://www.e-netsign.jp/fs/netminami1149/GoodsImagePopup.html?goods_id=5542&kind=m&indexno=2

建物の管理は看板に書いてある管理会社が行っているため、大家さんの自主管理ではないことがわかります。


これだと一見、不動産会社を通さないと契約できないのかなと思いますが、必ずしもそうではありません。

また、逆に大家さんが自主管理をしている物件であれば大家さんと直接契約ができるかというと、必ずしもそうではありません。

管理委託とは・・・不動産オーナー(大家)が管理会社にその物件の管理を委託する契約形態のことです。主に、建物の管理や修繕、入居者の募集・対応などを行います。アパートやマンションだとこちらの方が多いです。

自主管理とは・・・不動産オーナー(大家)が直接建物の管理や入居者とのやり取りを行う管理契約のことです。

大家さんが自主管理していたとしても、入居者の募集や契約は媒介契約を締結して不動産会社にて行っている場合もあります。

そのため、自主管理物件だから直接契約できて、管理会社に管理委託しているから直接契約できないということではありません。

アデちゃん
アデちゃん

なんだか難しくてややこしい!

ぶたどん
ぶたどん

要するに、管理と賃貸借契約は別ってだけです。

不動産会社の管理でも直接契約はできる!

『管理 〇〇不動産』と書いてある場合でも、その管理会社と大家さんとの管理委託契約の内容によっては、大家さんと直接契約は可能です。

管理委託契約に問題ないかどうかは大家さんへ直接確認しないとわかりませんが、よくある例では、特定の部屋は『オーナー使用』として管理会社の管理を外し、直接入居者と契約できるようにします。

アパートやマンションであっても部屋単位で管理委託契約の締結もできるので、管理委託の契約内容によっては問題なく大家さんと入居者さんで直接契約もできます。

問題は、大家さんが直接契約したいと考えているかどうかだけです。

直接契約するとなると、通常は大家さんにて賃貸借契約書を準備しますが、面倒だからやりたくないという大家さんであればそもそも難しいです。

アデちゃん
アデちゃん

直接契約って嫌がるものなの?

ぶたどん
ぶたどん

私はウエルカムですが、地主大家さんや忙しい大家さんなど管理会社丸投げしている方だと嫌がると思います。

直接契約のメリット

アデちゃん
アデちゃん

直接契約ってどんなメリットがあるの?

ぶたどん
ぶたどん

一言でいうと、安くてスムーズでお得!

大家さんと直接契約するメリットを紹介します。

利点① 安い!

賃貸物件へ入居するためには、家賃以外に以下のような費用がかかります。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 保証会社保証料
  • 火災保険

これらのうち、仲介手数料は不動産会社の仲介にて契約しているから発生しており、大家と直接契約すればかかりません

大家との直接契約以外でも仲介手数料が半額や無料といった物件もありますが、その仲介手数料は大家が負担しているケースが多く、仲介手数料自体は実際なくなっていません(例えば、ウチコミなど)。

また、不動産会社の仲介による契約では、大家は仲介してくれた不動産会社に対して広告費として家賃1~2カ月分を支払っています(競争が激しいエリアだと家賃3カ月分の広告費を支払っています!)。

もし大家と入居者が直接契約できれば、『仲介手数料1カ月分』と『広告費1~2カ月分』がそもそも不要となり、大家としてもその分値引きができるので、初期費用の割引や家賃の値下げといった対応ができます

利点② 契約内容も交渉可能

不動産会社を通さずに直接大家さんとやりとりできるので、話が早くスムーズに交渉できます。

例えばペットの飼育可の賃貸だった場合、どんなペットならいいのかは完全に大家さん次第です。

大家さんが偏見を持っているだけのときもあり、直談判してそのペットの習性を伝え、迷惑にならないことがわかれば許可してもらえるかもしれません。

また、家賃や更新料なども大家さんと交渉できるので、不動産会社を通した場合よりも更に安く入居できることもあります。

アデちゃん
アデちゃん

やっぱりお得だね!そう思ってたよ!

直接契約のデメリット

悲しい
アデちゃん
アデちゃん

直接契約ってどんなデメリットがあるの?気を付けることとかある?

ぶたどん
ぶたどん

一言でいうと、仲介よりも自己責任の面が多くなるってことですね

大家さんと直接契約するデメリットを紹介します。

欠点① 仲介業者がいない

不動産業者の仲介で契約する際には、宅建業法で定められた重要事項説明書などが必ずありますが、大家と直接契約する場合は重要事項の説明は必要ありません。

また、契約書の書式や記載事項なども定まった形式があるわけではないので(国土交通省が出している『賃貸住宅標準契約書』といったものもありますが、絶対これを使えといったものではない)、大家が準備しているもので契約を行います。

良心的な大家さんであれば問題ありませんが、契約書になったら突然非常識な契約内容を記載したり、当初の説明と異なっているなど、全くトラブルが起こらないとはいいきれません(不動産業者でも同様のトラブルは起こる可能性はありますが)。

そのため、契約前に大事なことは確認しておくなど、自分自身で責任を持って契約する必要があります。

第二章 契約
第一節 総則
(契約の締結及び内容の自由)
第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる

引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)
アデちゃん
アデちゃん

むむむ、自己責任ということか。でも、うまく話がまとまれば、逆にこちらにお得な条件にもなるってことだね

欠点② 火災保険や入居中サービスは必須ではない

不動産会社の仲介で契約する場合には、火災保険(家財保険+費用保険)へ加入が必須となり賃貸契約と同時に火災保険の加入もしますが、大家さんと直接契約する場合には大家さんが火災保険の代理店をやっていることは少なく、自分自身で保険を探して加入する必要があります(大家さんによって、保険を義務付けたり、無保険でも気にしないという方もいます)。

一見、「火災保険の分だけ安くなってお得」と思いますが、万が一のときに自分を守ってくれる大事な保険です。

【もし火災保険へ加入しないと・・】
例えば、洗濯機からの漏水で床が水浸しとなり、下の階まで影響を与え、入居者の過失によるものとなれば、家の修理代金(床や天井の浸水箇所の修理)から下の階の住人の家財まで全額入居者の負担となり、安くても数十万円はかかります。
たばこやお香など、誤って火災を起こすと、数百万~数千万円の負担です。

そのため、大家さんが保険を用意していなければ、自分自身で何らかの賠償に備えた保険へ加入しなければなりません。

また、鍵紛失やちょっとしたトラブルの駆けつけサービスも基本的に準備されていません。

アデちゃん
アデちゃん

安い代わりに手間はかかるかもしれないのね

ぶたどん
ぶたどん

大家さんが火災保険の代理店もやっている場合もあります。
ちなみに私は火災保険(少額短期保険)の代理店をやっています。

欠点③ 諾成契約が成立する

不動産の賃貸借契約は、民法上書面化の義務はなく、当事者間の合意のみで契約は成立します(これを諾成契約といいます)。

第二章 契約
第七節 賃貸借
(賃貸借)
第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる

引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)

第二章 契約
第一節 総則
(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する
 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない

引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)

しかし、不動産会社(宅建業者)が仲介に入る賃貸借契約では、重要事項の説明が義務付けられており、一般的には重要事項の説明がなければ契約成立とはなりません。

(重要事項の説明等)
第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対してその者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない

引用:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

つまり、不動産会社(宅建業者)が仲介に入れば、契約書面締結まではキャンセルできますが、大家さんと直接契約する際には、大家さんから契約内容を提示され、その内容についてお互いに合意した時点からキャンセルできません。

例えば、大家さんと住むことを約束した後で都合が悪くなり、

入居希望者
入居希望者

まだ書面で契約していないから、契約は無効だ!お金返せ!

といった主張は無効で、口頭にて契約した以上、契約のキャンセルではなく通常の退去手続きとなります。

諾成契約とは
当事者の合意の意思表示のみで成立する契約。民法は、基本原則として、契約は締結の申込みに対して相手方が承諾したときに成立する旨を規定し、売買契約、賃貸借契約などほとんど全ての契約について諾成契約としている。また、契約の成立には、法令による特別の定めがない限り書面の作成などの方式を備える必要はなく、任意の意思表示で足りる。

引用:at home
アデちゃん
アデちゃん

軽い気持ちで契約するって言ったらダメなんだね

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直接契約できる物件の探し方

探す
アデちゃん
アデちゃん

直接契約したいなって思ったら、どうやって探したらいいの?

大家が直接掲載しているサイトから探す

大家さんが直接掲載しているサイトはいくつかありますが、その中で大家さんと直接契約が可能なサイトは以下です。

ジモティー

ジモティー
https://jmty.jp/

不用品の取引が可能なサイト、ジモティーです。

掲載料無料なので直接大家さんが掲載している物件も多いですが、検索しにくく、物件情報も見づらいというデメリットがあります。

ぶたどん
ぶたどん

私も大家との直接契約として物件を掲載しています。

直談.com

https://www.jikadan.com/

ジモティーと同様に大家さんが直接掲載しており、直接契約が可能なサイトです。

ただし、掲載料が有料(キャンペーン中は無料)なので、ジモティーに比べると掲載数は圧倒的に少なく、そこそこ大きな市町村でも物件数ゼロが多いです。

物件情報の見やすさはジモティーよりも上です。

ぶたどん
ぶたどん

掲載有料で物件数が少ないので私は使っていません

その他

ウチコミ
https://uchicomi.com/

大家さんと直接契約はできませんが、大家さん自身が掲載し、直接交渉可能なサイトとしてはウチコミがあります。

全物件仲介手数料無料(大家さんが負担しています)で大家さんとも直接交渉可能、かつ不動産会社(宅建業者)による仲介で契約するので、入居者にとっては良いとこどりしたサービスです。

物件の掲載数はまだまだ少ないですが、直談.comよりも多く、ジモティーよりも見やすくわかりやすいです。

ぶたどん
ぶたどん

掲載無料なので私も使っています。

アパートの看板から探す

物件の外観にはたいてい管理会社の看板がかかっていますが、たまに大家さん自身の電話番号が掲載されている物件や、そもそも管理会社の看板がついていない物件があります。

大家さん自身の連絡先が書いてあれば間違いなく大家さんが自主管理しているので、多くの場合、直接契約できます。

また、管理会社の看板がなければ、大家さんが自主管理している可能性が高く、近所の方や住んでいる方から大家さんの連絡先を聞ければ直接契約もできます。

ただし、大家さんによっては自主管理していても、契約は全て不動産会社(宅建業者)の仲介としている方もいるので、直接契約できるかはその方次第です。

アデちゃん
アデちゃん

看板なければ全部自主管理なの?

ぶたどん
ぶたどん

いえ、管理会社によっては看板をつけないこともあり、大家さんを探して訪ねたら「管理会社に聞いて」って言われることもあります。

直接大家と交渉する

一番最初に解説しましたが、不動産会社によって管理委託されている場合であっても、契約内容と大家さん次第では、直接契約もできます。

その際のポイントは、「大家さんへ直接交渉すること」で間違っても管理会社に対して直接契約したいと交渉してはいけません
管理会社からすると、「なんで管理しているウチを無視するんだ」と不機嫌になります。

大家さんが「直接契約でいいよ」となれば契約できるので、大家さんへ直接アタックしましょう。
なお、管理会社へ管理委託していると断られるケースの方が多いですが、大家さんによっては気軽に了承してくれることもあり、運やその人次第です。

大家さんの探し方は、住んでいる方や近所に方に「大家さんって誰ですか?」と尋ねるか、不動産の登記情報を取得すればわかります。

(参考)登記情報を取得できるサイト:登記情報提供サービス

まとめ

本記事では、大家さんと入居者さんとの直接契約について解説しました。
要点は以下のとおりです。

要点
  • 建物の管理委託に関する契約内容に問題がなく、大家さんも直接契約の意思があれば大家さんと入居者さんとの間で直接契約は可能です。なお、建物の管理方法(自主管理か管理委託か)と賃貸借契約に関する直接契約は別なので、管理委託されていても直接契約は可能です。
  • 直接契約のメリットは、①初期費用や賃料を安く契約可能で、②契約条件もスムーズに交渉可能です。
  • 直接契約のデメリットは、①仲介業者がいないので自己責任で契約内容の確認が必要であり、②保険も自分で契約し、③当事者間の合意(口約束)のみで契約が成立することです。仲介による契約に比べて自分でしっかりと確認や手続きすればお得に契約できます。
  • 直接契約できる物件は、①ジモティーや直談.comなど大家さんが直接掲載しているサイトから探す、②看板から確認することで発見できます。また、管理会社の看板がある場合でも③直接大家さんへ交渉することで直接契約も可能です。
アデちゃん
アデちゃん

直接契約はお得だけど自己責任の面が強くなるんだね。気を付けて契約すればよさそうだね

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この記事を書いた人

大家歴7年目の夫婦(専業主婦の妻ぶたどんとサラリーマンの夫たろー)です!管理人の詳しいプロフィールはこちらです。

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